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赤字続きで、資産から補てんすることも。 食費や趣味の費用を節約した方がいいですか? 今後のやりくりにアドバイスを。
72歳(年金受給)
亡き妻の愛犬との暮らしの中、しっかりと家計を管理されています。家事を卒なくこなし、落ち着いた生活を送られているご様子です。
月々の収支は均等な状態が望ましいものの、定年後の家計が赤字になることは一般的によくあります。大きな赤字は避けなければいけませんが、資産もあり、あまり神経質にならなくても大丈夫。今の社会情勢において節約に神経をすり減らすのも考えものです。赤字分は、現役時代に準備した資産を活用し、上手にカバーしてください。
資産の取り崩しを不安に感じる理由の多くは、見通しが立たないこと。まずは、概算でもよいので今後の収支を考えてみましょう。
厚生労働省の簡易生命表(2019年)によると、72歳男性の平均余命は14.51年。この数字を参考に、仮に20年分の生活費をはじめとした支出はおよそ4800万円。年金との差額を試算すると、資産から約500万円を補てんに回すことになりますが、余裕はあります。時期をみて、好きなゴルフの回数をもう少し増やすこともできそうです。
ただし、毎月の借入金返済は不必要な支出です。残債は70万円とのことなので、すぐに完済してください。そして、保有資産の大部分が有価証券(株式)となっている資産の内訳も検討を。ご相談者の場合でしたら、預貯金に500万円を確保し、「減らせないお金」と思って管理していきましょう。
最後に。これらの計算には要介護時の費用が入っていません。保険でまかなえるのは費用の一部。要介護を想定に入れるなら、預貯金に回す金額をさらに500万円増やし、柔軟に対応できるように準備しておくのもおすすめです。
ファイナンシャルプランナー
山副 耕一 さん
(2021年5月22日号より)
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