【コレ読んで!】自分疲れ ココロとカラダの間

2023年5月19日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

自分疲れ ココロとカラダの間
頭木弘樹 創元社 (1540円)

〝自分〟とは? 正解のない問いを考えてみませんか

ちょっと不思議なタイトルの本だ。でも惹(ひ)かれる人は多いのではないだろうか。そしてそんな人たちはきっと、心と体のどこかが疲れているのではないか。心と体ほどよくわからないものはない。心に振り回され、体は思い通りに動かず、人は疲れていく。そんな難解な「自分」を本書では文学作品を手がかりにひもとく。紹介される本をたどってブックガイドのようにも読める一冊だ。

「明日からこうしなさい!」という答えが書かれた本ではない。ただ、筆者は最後に「曖昧さ耐性」という言葉を使ってヒントをくれる。世の中の全てにはっきり白黒つけられるわけではない。曖昧なままにしておいた方がいいこともある、と。

■本の紹介者
開風社 待賢ブックセンター
鳥居貴彦さん
 
http://kaifusha-books.com/taiken/

(2023年5月20日号より)