【コレ読んで!】三つ編み

2024年9月6日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

三つ編み
レティシア・コロンバニ、(訳)齋藤可津子 早川書房(1760円)

自分の意思で人生を切り開こうとする女性たちの物語

インドのダリッド(最下層身分)として生まれ、娘に教育を受けさせることでなんとかその生活から抜け出そうとするスミタ。イタリアで、倒産寸前の伝統的な毛髪加工会社を突然継ぐことになったジュリア。カナダでシングルマザーの弁護士として働き、社内トップの座を目前にしてがんを告知されたサラ。

救いのない差別、保守的な村、女性が社会で働くということ。生涯出会うことのないであろう3人の女性を軸に進む物語は、表題にもなっている「三つ編み」を媒介として力強く交差する。

「不可能だとは知らなかったから、彼らは実行した」。人生を切り開こうとする全ての人を応援してくれる、希望に満ちた一冊だ。

■本の紹介者
マヤルカ古書店
なかむらあきこさん
 
http://mayaruka.com/

(2024年9月7日号より)