【コレ読んで!】岩波文庫的 月の満ち欠け

2023年2月10日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

岩波文庫的 月の満ち欠け
佐藤正午 岩波書店(935円)

妻と娘を亡くした男に訪れた奇跡とは―

仕事は順風満帆、生活も家庭も安定していた主人公・小山内堅(つよし)。ですがある日、愛する妻・梢と娘の瑠璃を突然の事故で亡くしてしまいます。

深い悲しみの底に沈んでいた彼のもとを訪ねて来たのは、三角(みすみ)という男性。〝瑠璃は自分に会うために出かけ、事故に遭った〟と、にわかには信じがたい話を聞かされます。
瑠璃の行動の理由、彼女の身に起きた現象はなんとも衝撃的。3人の男性と1人の少女の過去と人生が交錯していきます。

月が満ち、欠けていく、その繰り返しのような、小山内に訪れた奇跡―。登場人物それぞれの思いが胸に迫る、優しい物語です。

■本の紹介者
大垣書店イオンモール北大路店
小林素紀さん
 
https://www.books-ogaki.co.jp/

(2023年2月11日号より)