【コレ読んで!】沖縄 ことば咲い渡り さくら

2022年3月18日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

沖縄 ことば咲い渡り さくら
外間守善、仲程昌徳、波照間永吉 ボーダーインク(2420円) 

古代から現代まで 琉球の心を伝える歌と言葉

琉球王国時代の古典から民謡、現代の短歌など沖縄に咲く言葉の数々を収録した一冊。沖縄の人たちが古代からさまざまな言葉で表現し、伝えようとしてきたものがうかがえる。一つ一つの歌や言葉は短いが、私たちに届く言葉が確かにある。

選者の一人、外間守善は古典「おもろさうし」から「撓て」という言葉を紹介する。「しなて」は調和や和合。引用されるのは貿易先の国々に向けて調和の心を持って船を出すといった意味の神歌だ。外間は「平和な蓬莱島たらんとしたオモロ人たちの心は撓やかである」と言う。

海外との交易で栄えた琉球の知恵。人と人も、国と国も、争うのではなく言葉を尽くしてしなやかに向き合いたい。

■本の紹介者
開風社 待賢ブックセンター
鳥居貴彦さん
 
http://kaifusha-books.com/taiken/

(2022年3月19日号西南・東南版より)