【コレ読んで!】詩人になりたいわたしX

2022年2月18日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

詩人になりたいわたしX
エリザベス・アセヴェド/(訳)田中亜希子
小学館(1760円) 

熱い言葉でつづられる感情 道を切り開く姿に勇気を

信仰心にあつく厳格な母親と無口な父、大好きな双子の兄とハーレムに暮らす15歳の少女シオマラ。
大人になるにつれ異性から向けられるようになった視線や不快な言葉と、母親から「女の子はいけません」「待ちなさい」「やめなさい」と禁止されるあらゆる自由。彼女はそんな不満や戸惑い、男の子をいいなと思う感情を自分の中から湧き出る熱い言葉で表現します。

全編が詩のような日記でつづられ、読者は一緒にドキドキしたり絶望したり、そして、ポエトリー部と出会うことで自分を解き放ち、道を切り開いていく姿に勇気をもらう。言葉を伝えること、ちゃんと受け止めてもらえることの大切さに気付かせてくれる一冊。

■本の紹介者
マヤルカ古書店
なかむらあきこさん

http://mayaruka.com/

(2022年2月19日号より)