【コレ読んで!】本と鍵の季節

2021年9月10日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

本と鍵の季節
米澤穂信 集英社文庫(792円)

図書委員コンビが謎に挑む6編の青春ミステリー

他人から頼み事をされやすい堀川次郎と、大人びてちょっと皮肉屋な松倉詩門。高校2年生の図書委員コンビが二人で謎を解き明かしていく、青春ミステリーです。

不人気な放課後の図書室で、二人が当番を務めていたある日。図書委員を引退した先輩の女性が、〝亡くなった祖父が遺した開かずの金庫を開けてほしい〟と依頼してきます。残されたメッセージが示す暗号の意味とは―。

そもそもそんな依頼を断らない二人の存在と、米澤穂信先生独特の語り口が、なんとなく古き良き昭和を思わせます。六つの物語からなる連作で、一気に読み進められました。読書の秋に、ぜひどうぞ。

■本の紹介者
大垣書店四条店
小林素紀さん
 
https://www.books-ogaki.co.jp/

(2021年9月11日号より)