ここでは読者の「ほめられてうれしかったエピソード」を紹介。中尾さん・上林さんも、特に気になるものにコメントをくれました。
「家に遊びに来たママ友が、帰ってから『さりげない気配りをしてくれたおかげで、とても楽しい時間が持てました』とお礼のメールをくれてうれしかった」(伏見区・ぞうさん)
メールは、口下手な人にも便利。うれしい言葉を保存できる保護機能もあります。
メールに頼りすぎは、要注意? その人の顔が見えるほうが、より喜ばれるようです。
「『肌がきれいだけど、特別何かしているの?』と友達に言われてうれしかった」(伏見区・MB)
こちらは、お世辞じゃない感じが伝わります。
「育児に追われ、へとへとになっていたとき、主人に『いつも頑張って家事も育児もしてくれているね』と言われて、すごくうれしかった」(左京区・りんご)
身近な人からの言葉は「いつも見てくれているんだな」と、うれしさもひとしおですね。
では、今度は、言われて複雑な気分になってしまったほめ言葉です。
「髪を切った日のこと。ベリーショートにしたのですが、ダンナに『よく似合ってるよ! 美川憲一みたいで』と満面の笑顔で言われました」(下京区・mameこたん)
「おばあちゃんに会うと『よく肥えてていいなぁ』といわれた。おばあちゃんは太りたくて真剣にほめてくれているのだが、まったくうれしくない」(宇治市・ゆじん)
笑い事で済めば問題ナシですが、価値観の違いで、ほめ言葉がうまく伝わらないことは多そう。
「夫から、料理を『よくできてる』といわれる。なんとなく上から目線で、ほめられている気がしない。シンプルに『おいしい』って言ってもらえるほうがうれしい」(北区・さくあおママ)
「20年ぶりに会った人に『大人になって、きれいになったね』といわれ、『子どものころ、すごくひどかった』といわれている気がした」(北区・いちご)
これは、ほめた側の人は好意だったのではと思うのですが…。
中尾さんは、ポイントを「三原則」にまとめてくれました。
「一つ目は、小さなことでもいいので、いいところを見つけようということ。二つ目は、“YOUメッセージ”よりも“Iメッセージ”のほめ言葉を意識しましょうということです(1ページ目のQ1参照)。三つ目は、小さなことでも口に出して、ほめたり感謝したりすることで、人同士のきずなが深まる。これって“幸福の貯金”だと思います。何か困ったことや危機が訪れたとき、この貯金があるかどうかが重要になってくるんじゃないかな」
上林さんが、誰かをほめるときに大切にしているのは「面と向かって言う」ということ。
「メールは便利かもしれませんが、誰かをほめるときって、真心や親心からそうするものなので、そういうものは直接話すことが大切だと思います」