美術関連のフライヤーを物色していたとき「無鄰菴(むりんあん)」が発行する「サラサラ通信」が目に留まり、場内で様々なイベントが行われていることを知りました。
「無鄰菴」といえば、第3・9代内閣総理大臣であった山縣有朋(やまがたありとも)氏の別荘。七代目小川治兵衛氏によって作庭された近代日本庭園は「国指定の名勝庭園」でその美しさは有名です。
今回は開催中の「苔むすテラリウムの魅力」展(2022年6月30日まで)っていうのがとっても気になる!という訳で、行ってみました。
東山を主山とした庭園
地下鉄蹴上駅から北へ徒歩約7分、「無鄰菴」入り口は、周囲の喧騒を避けるかの様に、路地に入ったところにあります。
現在、入場は人数制限があり、確実に入場するため予約しておきました。
入ると、中で簡単な解説が聞けたので、先に聞いてから庭を巡れたのが良かったです。例えば、伽藍(がらん)石と言われる丸い石の上に立つと、庭の一番の見どころを見渡せることも聞き、すぐに試すことができました。
庭の特徴的な3つのポイント、①東山を借景ではなく主山としている②水の躍動的な流れを作り、生じる音や水面の反射を楽しむ③明るい芝生の空間が広がる、とお聞きしたことが、伽藍石に立つと体感できるのでした。
それにしてもこの日は快晴で、何とも美しい風景。
開けた場所は芝生でしたが、樹々が木陰を作り、ビロードの様に美しい苔も見られました。苔の種類も多様で、パッチワークのようになり、それも見事。
庭をぐるりと回って途中の茶室も拝見しつつ、最後に洋館へと向かいました。
洋館で「苔テラリウム」を鑑賞
洋館2階の洋室は、1903年に伊藤博文、小村寿太郎、桂太郎、山縣有朋が日露戦争前夜の外交方針を話し合ったという場。歴史的価値のある建物であるだけでなく、格天井や寄木造りの床、琳派の絵のような壁画など、その内装もきらびやかでした。
建築物を見るとき、細部のこだわりを見つけると楽しいです。凝った細工のドアノブ発見!
そして、洋館1階では「苔テラリウム」が展示されていました。モフモフで可愛らしい!最近のテラリウム人気も頷けますね。
苔は多湿を好むので、テラリウム(ガラスなど光が通る密閉された透明ケースの中で陸上の生物を育てる方法のこと)栽培に適しているらしく、ガラスの中はまるで小宇宙のよう、小さな瓶の世界でも青々としていました。
それにしても、苔は種類も様々で、よく見ると形状も楽しくてずっと眺めていても見飽きることがありませんでした。
1階の部屋の壁には、無鄰菴の庭の管理についての解説がありました。伽藍石から見た風景が大変美しかったのは「東山が見渡せ、かつ周囲の電柱や道路街頭や民家が見えないような高さを考慮して樹々の剪定がされているから」と知り、計算しつくされたうえで成り立っている美なのだなと、感動しました。
場内にある山縣氏自撰の石碑、春夏秋冬の美しさを記したその一説に「中に一きは目だちてあはれふかきは雨のけしきなり」とあるそうです。晴天の日のお庭を拝見しましたが、雨の景色がひときわ美しいならば、それも是非見てみたいものです。
無鄰菴
京都市左京区南禅寺草川町31番地
TEL:075(771)3909
https://murin-an.jp/
拝観時間等はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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