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レトロ建築の館内で観る現代アート―「京都芸術センター」

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大好チヨ子プロフィール
2022年6月14日 

阪急烏丸駅の22番出口から徒歩約5分、室町通に面して建つ「京都芸術センター」へ、久しぶりに展示を観に行きました。

室町通沿いの門から入り、真っすぐ突き当りがギャラリーのある棟

建物は国の登録有形文化財

「京都芸術センター」は、明治2年に下京三番組小学校(学区制小学校の一つ)であった明倫小学校の校舎を改修し、2000年に開設されたレトロ感あふれる建物です。スペイン風オレンジ色の屋根瓦や緑青色の雨どい、入り口付近の美しいレリーフ、窓ガラスも波打ち硝子(波打ったような形状の焼きガラス…現在は復元できないもの)が残っているので、展示室にたどり着くまでに、旧校舎の建物もゆっくりと鑑賞しました。国の登録有形文化財であり、見どころが随所にある、魅力的な建築物です。

門を入って左手側のアーチ型レリーフが繊細なレースの様
門を入って左手事務所入り口

事務所入り口付近には、ステンドグラスが入っていて可愛らしいですし、昔は学校に必ず設置されていた、二宮金次郎像も健在でした。

ギャラリー入り口前、向かって右手にある二宮金次郎像

利用すると面白いアーティストトークやギャラリーツアー

5月14日~7月18日まで、伊東宣明さんの「時は戻らない」という展示がギャラリー北・南・和室で開催と知り観に行きました。
ここ、京都芸術センターは、若手アーティストさんの展示が行われるため、前衛的なアート作品が多いのが特徴です。

今回、事前に内容を調べると「逆再生を用いた映像作品で、何も起こらなくなっていくことへの驚き…」「自身の鼓動に合わせて肉を叩く…」といった作品説明。「ハードルが高そうだぞ、アートを理解できるだろうか?」といささか不安になり、約一時間半の『アーティストによるギャラリーツアー』に申し込み、参加させていただきました。

伊東宣明さんご自身の解説を聞きながら作品鑑賞(ズームインとズームアウトを使った作品)

アーティストさんと共に作品を観て回ったことで、ズームイン・ズームアウトを繰り返す映像作品の制作過程を知り、無秩序だと思えた映像の繰り返しにも関連性があり、間違い探しのように鑑賞する面白さを知り、それだけでも大収穫でした。

ギャラリー南の「時は戻らない」(左)と、「人生で一番美しい」(右)

また、作品の大きなテーマが「時」なので、逆再生や未来に向けての映像などを使うことで、時の壁を行ったり来たりするような作品なのだなと、私なりに理解を深められました。

アート作品を自分の解釈で観るのも良いですが、作品の見どころや解説を聞くと作品の意図が分かるので、これからも、時間が許せばトークやツアーに参加したいと思いました。

アート情報も得られる

展示のあったギャラリー以外に、「図書室」も利用可能。入ってみると、京都の伝統工芸に関するものや美術全集など、アート関連の書物が沢山揃っていました。特に興味を持ったのが過去の展覧会図録。ゆっくり読みに行くのもいいですね。

図書室

「情報コーナー&談話室」は、入ってびっくり。設置された棚に、あらゆる展覧会や音楽イベントなどアートにまつわるフライヤーやギャラリーの案内葉書などが所狭しと置かれていました。すべては見られないくらい沢山でしたが、デザインの気に入ったフライヤーを選んできました。

アーティストと市民をつなぐ場

「京都芸術センター」は、さまざまな芸術に関する活動を支援しつつ、芸術に関する情報を発信して、市民と芸術家さんたちの交流を図ることを目的とされているそうです。誰でもが参加可能なワークショップも行われる場になっていて、今回のギャラリーツアーもホームページで見つけました。これからもマメにチェックして、次はワークショップにも参加してみようと思っています。

京都芸術センター

京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
TEL:075(213)1000
https://www.kac.or.jp/
営業時間等はHPから確認を

プロフィール

大好チヨ子

在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。