京都市内を歩いていると、時折見かける京町家。維持するのは大変だとお聞きしますが、懐かしいたたずまいと木や土壁の温かみを心地よく感じ、カフェやお店になっていると、つい、立ち寄りたくなってしまいます。
京町家はギャラリーとして魅力的なアートの展示場所となることもあり、私は、展示作品と共に建物の空間も楽しみにしています。
烏丸通りから夷川通りを西に入ったところにあるギャラリー「アートステージ567」は、元米穀店であった頃の看板もそのまま残されているので、初めて訪れた時「また道を間違えて迷子になってしまった…」と思ったのですが、引き戸の脇に小さな店の看板を見つけました。
伺った日は、イラストレーターのナカガワ暢さんと、美術作家の城戸みゆきさんの展覧会が開催されていました。(現在は終了しています)
まず2階のナカガワ暢さんの掛け軸になった作品を拝見しました。歴史のある建築物のすすけて黒くなった梁や窓の桟、土壁の色合いやシックな家具類、ナカガワ暢さんの少しレトロモダンなイラスト、それらすべてが調和していてアール・デコっぽさも感じるような空間を生み出していました。
使い込まれたような艶感のあるテーブルも置かれたカタログも、作品と溶け合い心地よいのでした。
前回別の画家さんの展示を拝見したときは、スタイリッシュなバーにでも入ったような大人っぽい雰囲気に包まれていたので、建物と作品が出合うとそこに新たな魅力が生まれて面白いですね。
階段を下りて1階奥の部屋へ向かうと、室内の照明が落とされ、城戸みゆきさんのインスタレーションが豪華に展示されていました。
真っ赤な電気コードを編み込んだ、天井から床に引きずるほどの大作は、土壁にシルエットが映り、こちらも建物と一体になった美しさでした。
1・2階のギャラリースペースは、会期一週間ほどの個展が次々開催され、毎年展示をされる作家さんもいるそうです。ギャラリーの展示がない時は、1階のショップに沢山並ぶ、作家さん作の雑貨を拝見するのも楽しいです。
ブローチやイヤリング、陶器やガラスの器、がま口や織物製品、手作りの一点ものや衣類に帽子…などが豊富に並んでいました。
こちらのギャラリーはご夫婦で経営されているのですが、そのお二人が、作品や雑貨の説明も丁寧にしてくださいます。お二人のやわらかな物腰の中に、作家さんや作品に対する「愛」をすごく感じ、私も作品鑑賞に熱が入りました。
「アートステージ567」は、作家さんのアートと訪れる人とをつなぐ素敵な空間。次回開催の個展案内葉書も頂いてきたので、今度はどんな展示のされ方になるのか楽しみです。
アートステージ567
京都市中京区夷川通烏丸西入巴町92
TEL:075(256)3759
https://artstage567.com/
営業時間等はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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