京都では多くの伝統工芸の技が脈々と受け継がれ、今も高い技術力を持った方々が様々な場で活躍されています。工芸家の方たちは、古い建造物や催事・神事における必需品などを修復・新調するだけでなく、鑑賞のため、あるいは生活用品としての新たな工芸作品を、世に送り出されています。
そんな、さまざまな伝統工芸品の作品が鑑賞できる「京都伝統工芸館」に行ってきました。
入ってすぐの無料展示スペースには、各種伝統工芸の作品が並んでいました。一口に伝統工芸と言っても、陶芸・金属・木・漆・和紙・竹工芸などさまざまな工芸品があるのが良くわかります。
有料ギャラリーの2・3階も拝見したかったので1階受付で手続きをしました。
受付すぐ横には、制作の「実演コーナー」があり、この日は竹工芸作家さんの作業を間近で拝見することができました。
私は、この「実演コーナー」を拝見するのが好きです。精工な作品を鑑賞する時など「いったいどこから作り始めて、どんな工程を経るのかな?」と興味深々なので、実際の制作過程を拝見すると、大作も一歩一歩の積み重ねでできているのだなと感動を覚え、そのあとの作品に対する見方が大きく変わります。
この日も作家さんとお話ができたので、材料を準備することの大変さや、同じ図案でも、編む色の違いや裏表で、作品がまるで違うデザインになることなど教わり、竹細工のおもしろさや見どころがよくわかりました。
本当に、気の遠くなるような緻密な作品でした。
実演は日によって異なるので、HPで事前に調べてゆくと良いそうです。
2階・3階のギャラリーでは、京都伝統工芸大学校の学生さんや卒業生さんの作品を中心としたさまざまなジャンルの工芸品を沢山拝見することができました。
学生さんの作品と言ってもとても完成度の高い作品で、これからの工芸界を担ってゆく若き作家さんたちが育っているのを知るのはなんだか嬉しく思いました。
学生さんたちが東日本大震災の被災者への慰霊の心を込めて彫った小仏もありました。
この小仏は被災者の鎮魂・慰霊・復興支援を願って、京都市長から京都伝統工芸大学校へ依頼があり制作されたものだそうです。大文字五山の送り火で奉納する予定だった陸前高田の被災松を使い、仏像彫刻専攻の先生と学生さんが5か月間をかけて約300体を彫り上げたそう。
奉納された小仏の一部が展示されていました。
この小仏は素朴なその姿が、魂を癒してくれるような慈悲に満ちていて心を打たれました。
その場で購入可能な工芸品のショップも併設されていました。マグカップやアクセサリーなど、購入しやすい価格帯のものも揃っているので、他府県の方へのお土産などにも活用できそうでした。
京都に住んでいると、伝統工芸はとても身近なものだと思います。時には、その技のすばらしさに触れてみるのも良いのではないかなと思うのでした。
※写真は撮影可能な場所のみ撮影しています。
京都伝統工芸館
京都市中京区烏丸三条上ル場之町606
TEL:075(229)1010
http://www.dentoukougei.com/
営業時間等はHPから確認を
プロフィール
大好チヨ子
在住エリア:京都市西京区
メインテーマ:博物館などのアートイベント/パン屋さん
子育てを終えて、ようやく京都歩きを楽しめるようになりました。知識がない私でも「楽しい!美味しい!美しい!面白い!」と感じたり「知っていたらお得」な情報をゆる~く伝えてゆきたいです。趣味はドラム演奏と、博物館ボランティア。
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