長岡京市に、子どもたちが見て触って感じる遊びのイベントを開催している市民団体があります。活動の背景には母親の孤独、子どもたちの体力や感覚の低下がありました。
撮影/山﨑晃治
昨年12月半ばの日曜日、長岡京市中央公民館の一室で、市民団体「心と体を育む五感あそび場プロジェクト」が主催するイベント「にじにこ」が開催されていました。少し早いクリスマス会です。参加者は1~5歳の幼児とその親11組。
「こんにちは!」。代表の佐々木友美さんの元気なあいさつからスタートです。同団体のメンバーは、子育て中の女性8人。佐々木さんをはじめ4人が幼稚園教諭や現役保育士、元保育士だそう。
参加者の親子は、メンバーに教えてもらいながら紙皿や紙コップなどで簡単な楽器を作製しました。それらをたたいたり振ったりして、ピアノに合わせて合奏。メンバーによりすずやタンバリンといった楽器も演奏され、さまざまな音色を楽しみました。続いて、サンタクロースが登場。一緒に歌って、ダンスで体を動かした子どもたち。最後は幼稚園のように輪になって歌う〝帰りの会〟でお開きに。
「親は、普段子どもたちが園でどう過ごしているか分かりづらいもの。イベントでその一端を感じてもらえれば」と佐々木さん。
1歳の子どもと初めて参加したという母親は、「家でこれだけの遊びを準備するのは難しいので、ありがたいです。子どもにはいろいろと経験させてあげたい」とのこと。
イベント終了後、参加者には手作りキットと、家での遊び方などを書いた〝お便り〟が手渡されていました。
育児で感じた孤独や、子どもたちへの思いが原動力に
同会の結成は、2024年4月。きっかけのひとつは、佐々木さんが母親になって抱いた孤独でした。
「出産して育休に入ると、社会から切り離されたように感じました。近隣の親子向けのイベントに参加し始め、運営側に立つことも。お母さんたちと触れ合っていると、同じように孤独を抱える人は少なくないと思ったんです」
もう一つ、職場の幼稚園で感じていた子どもたちの変化も活動のきっかけに。
「ここ数年、すぐケガをする子どもが増えたことに気づきました。以前に比べて筋力が弱く、バランス感覚が十分に身に付いていない子も。コロナ禍も一因ですが、最近は〝五感〟を使ってのびのびと遊ぶ機会も、場所も減ってきているんじゃないでしょうか」
子どもたちが思い切り遊べる場を作りたい、母親の孤独を解消したいという思いに共感する仲間とともに、同会を立ち上げたそう。企画するイベントは2種類で、小学校低学年までが対象の「にじにこ」(参加費/子ども1人800円)と、乳幼児限定の「おやこみらいZOO(ズー)」(参加無料)。いずれも、月1回開催しています。
季節によりますが、活動は屋外が中心。〝運動会ごっこ〟や絵の具遊びなど、視覚や触覚への刺激も重視しながらダイナミックに遊びます。「おやこみらいZ00」は、母親たちの交流も目的としているそう。
「毎月イベントに来てくれる親子も多く、子どもたちの楽しそうな姿が見られてうれしいという声も。メンバーには保育士もいますし、子育ての小さな疑問なども気軽に聞いてもらえれば」
詳細、問い合わせはメール=nijinico2024@gmail.com=で同団体へ。
(2025年2月1日号より)
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