正月明けの体の不調に 冬の5分〝家トレ〟

2025年1月17日 

リビング編集部

正月明けは体調不良になりやすい、という声もよく聞きます。そんな人のために、自宅でできる悩み別のトレーニングをプロに教えてもらいました。1日5分、こまめにケアしていきましょう。

撮影/鈴木誠一

正月疲れと寒さのダブルパンチが体調に影響

この時期にありがちな体の悩みを読者にたずねると、「年末年始に食べすぎて体や胃が重い」「とにかく手足が冷える」「寒さで肩や首が凝る」などの声が寄せられました。

「正月明けはおなか周りを気にする人も多いですね。寒暖差による自律神経の乱れのほか、冷え・運動不足による血行不良なども体調に影響します」と話すのはリビングカルチャー倶楽部講師で、理学療法士の竹田一義さん。このような体の不調にオススメの自宅トレーニング「家トレ」を教えてもらいました。実際に読者モデル2人がチャレンジ。

「体幹トレーニングやストレッチなど、5分程度でできるものばかり。自身の悩みに合わせて取り入れてみてくださいね。毎日コツコツ続けて、体をメンテナンスしていきましょう」

暴飲暴食が続いてウエストが気になる

腹筋群を鍛えておなかを引き締めて

おなか前面の腹直筋や、その奥にあるインナーマッスルの腹横筋を鍛えることで余分な脂肪を燃焼。年齢により下がりがちな内臓も筋肉により支えられ、ぽっこりおなかの改善が期待できます。便通改善にも。

ハーフプランク (1日3セット)

うつ伏せで肩の真下にひじを置き、両ひざを肩幅に広げて曲げる

頭、腰、お尻が一直線になるまでゆっくり体を持ち上げて、10秒キープ。ゆっくり下ろす

POINT
お尻を突き出さないように、首や腰が反らないように注意

体が動きにくく転倒しやすい

体幹を鍛えて姿勢を正し、バランス力UP

冷えや運動不足による体のこわばりで姿勢が悪くなると、バランスが取りにくく転倒しやすい状態に。体幹や股関節のインナーマッスルを鍛えてバランス力を向上させ、体の安定性を高めましょう。

バードドッグ (1日2セット)

手とひざを床につき、手は肩の真下、ひざは股関節の真下におく

POINT
腰を反らしたり曲げたりしない

左手と右足を胴と一直線になるようにまっすぐ伸ばし、10秒キープ。反対側の手足も同様に行う

POINT
・まずは手から伸ばす
・骨盤、胴は水平に保つ

無理なく、〝ながら〟でも継続が大切

「家トレ」を行う上でのポイントを竹田先生にたずねると、「無理のないようにすること。痛いところがあれば、できる範囲で動かすようにしましょう。行っている間は呼吸を止めないよう意識して。トレーニング時の呼吸は力を入れるときに吐いて、力を抜くときに吸うのが基本ですが、各自ラクなやり方でも構いません」

そして、最も大切なのはいかに続けるか、とのこと。わかってはいるけれど続かない、という人にアドバイスをもらいました。

「わざわざ時間を作るのではなく、家事とセットにするなど〝ながら〟のルーティンにしてしまうと継続しやすくなります。また、目標がないと『一日くらい休んでもいいか』となりやすいもの。例えば目的がやせることなら、好きな女優の体型を目指してポスターを貼るなど、高めに目標を設定するとやる気が続きやすいですよ」

寒さと運動不足で肩こりがひどい

肩甲骨を動かして血流をスムーズに

肩を丸めた姿勢でいると、肩甲骨が外側に広がったままで肩の筋肉が緊張している状態に。肩甲骨を動かす菱形(りょうけい)筋を働かせることで、血流の改善を目指します。

肩甲骨エクササイズ (1日10回を2セット)

腕は体の真横に、手のひらを上にしてひじを前方に90度曲げる

POINT
脇は締めて肩の力を抜く

手のひらを水平にゆっくり開いていき、肩甲骨を中央に寄せる

POINT
・肩甲骨の間に 鉛筆を挟むイメージ
・肩が上がらないように

家の中でも手足の先が冷える

お尻の筋肉を鍛えて基礎代謝をアップ

肩を丸めた姿勢でいると、肩甲骨が外側に広がったままで肩の筋肉が緊張している状態に。肩甲骨を動かす菱形(りょうけい)筋を働かせることで、血流の改善を目指します。

ヒップリフト (1日10回を2セット)

あお向けになりひざを曲げて、足は肩幅より広めに開く

ゆっくり腰を持ち上げ、肩と腰、ひざが一直線になるようにする。その状態で5秒キープして背中の上方からゆっくり下ろす

POINT
・骨盤やおへそを顔側に傾けるイメージで
・腰が反らないように注意

家事の合間にも

かがむ動作のついでにしっかり腰を落として、お尻の筋肉や内転筋を鍛えます。
洗濯物を干すときなどに取り入れて。

ワイドスクワット

肩幅より広く足幅を取り、ひざとつま先は外側に向け、背骨をまっすぐに立てる

やや前傾姿勢でゆっくり腰を落とし、ゆっくり戻す

飲みすぎや冷えで足がむくむ

股関節周りを伸ばしてリンパの流れを促進

腰と股関節をつなぐインナーマッスルの腸腰(ちょうよう)筋をストレッチ。股関節のリンパの流れが良くなり、むくみの原因となる余分な水分や老廃物が流れやすくなります。

腸腰筋ストレッチ (1日2セット)

ひざ立ちになり、左足を前に出す

POINT
ひざ下にタオルなどを敷いて行うと良い

上半身はまっすぐに保つ。前方下にゆっくり腰を落として右股関節の前を伸ばし、10秒キープ。反対側の足も同様に行う

POINT
・ひざから下は垂直に
・腰や首は反らさない

家事の合間にも

食器洗いなど立ち仕事はむくみ解消のチャンス。
「第二の心臓」といわれるふくらはぎを鍛えることで、血流やリンパの流れが向上します。

カーフレイズ

イスや台などに軽く手を置き、足は肩幅に、体をまっすぐ伸ばす

足の指全部で体を支えるイメージで、かかとをゆっくり上げ下げする

今回の読者モデル

(右)SEさん
「どれも簡単だけど、しっかり効いている感じがしました」
(左)IMさん
「私も冬は冷えなど不調を感じるので、参考になりました」

教えてくれたのは

竹田一義さん
リビングカルチャー倶楽部「はじめての体幹トレーニング」講師・理学療法士・ピラティスインストラクター

(2025年1月18日号より)