リビング新聞ネットワークで展開中の「さかなをたべよう!キャンペーン」です。読者アンケート(2024年1〜2月に実施)によると、約半数の人が週1〜3回程度、家庭で魚を調理して食べるそう。「もっと回数を増やしたい」と考える人が多い一方で、「調理が面倒」という人も。そこで、手軽に作れる魚のレシピをプロの料理人に教えてもらいました。夏においしい魚についても紹介します。
撮影/深村英司
イサキ、アジ、ハモが旬 魚を選ぶときは、形や目に注目を
京都水産物商業協同組合加盟の鮮魚店「近幸」の石田浩三さんによると、「7月はイサキ、アジ、ハモが旬ですよ」とのこと。「特にハモは、この時期よくお店に並んでいるので入手しやすいでしょう」
おいしい魚の見分け方については、「まずは形に注目を。丸みを帯びていて、張りがあるものを選んでください。また、魚の目が透き通っていたら鮮度が高いです」。切り身では、血合いの色が鮮やかな赤に近い方が良いのだとか。
お得な買い方については—。「飲食店などで使われることが増えてくると、価格も上がりやすいので、なるべく出始めの頃に買うと比較的安く手に入りますよ」
また、「お手頃なアラを買って炊き込みご飯などに活用するのもおすすめ」とのこと。
京都府産ではトビウオ、スズキ、シイラも
「京都府北部の漁場でとれる魚でいうと、夏はトビウオ、スズキ、シイラがおすすめです」とは、京都府農林水産部水産課漁業漁村係の越後はるなさん。「これらの中で、一般的に入手しやすいのはスズキです。魚の脂が乗りにくいといわれる夏でも、おいしく食べられますよ」。
一方、ハワイでは〝マヒマヒ〟と呼ばれ、高級魚として親しまれるシイラ。癖がなく、淡泊な味だそう。「まだ珍しく思われるかもしれませんが、シイラも近年漁獲量が増えてきています」。ここ数年、一般的なスーパーでも扱われることが増えてきているとか。
トビウオについては、「京都市内などで入手しづらいかもしれませんが、漁場のある京丹後市では、昔からつみれ汁などにして好まれています」。
これら、旬の魚も使いながら、簡単に作れる夏におすすめのレシピを紹介します。
サーモンとオレンジとニンジンのマリネ
酸味と甘味のバランス良し 火を使わず調理できます
「見た目も華やかな一品。サーモンの酸味とオレンジの甘味が好バランスです」とは、総菜店「Marufuku(マルフク)KYOTO」の料理長・市村征洋さん。火を使わず調理ができるのもうれしいところ。サーモンとオレンジは最後にあえるのがコツ。
材料(2人分)
- スモークサーモン200g
- オレンジ(くし切り)2個
- 赤タマネギ(スライス)1/2個
- ニンジン(薄切り)1/4本
- ニンニク(みじん切り)1片
- 【A】オリーブオイル大さじ1.5 、酢大さじ2、砂糖大さじ1、塩適量
作り方
- ニンジンと赤タマネギを合わせて塩(分量外)をかけて、約10分なじませる
- ①を手できつめにしぼり、水分を出してしっとりさせる
- ニンニクを②に混ぜる
- ③にスモークサーモンとオレンジを混ぜてAをかけてあえる ※お好みでハーブを乗せて
アジのトマト煮込み
アジをトマトでまろやかに ケチャップで濃厚さをアップ
アジを洋風の煮込み料理で。「トマトの風味で、癖のある魚もまろやかな味わいになります」(市村さん)。最初の塩加減が味付けのポイントになるそう。トマト缶にケチャップも加えることでより濃厚に。
材料(2人分)
- アジ(切り身または骨抜きしたもの)1匹
- タマネギ(スライス)1/2個
- ズッキーニ(輪切り)1/2本
- なす(輪切り)1/2本
- トマト缶150g
- 水80cc
- コンソメ(キューブ)1個
- ニンニク(みじん切り)1片
- トマトケチャップ大さじ2
- 塩、コショウ適量
- オリーブオイル適量
作り方
- アジの両面に塩ひとつまみをかけて10分おく
- ニンニクとタマネギをオリーブオイルで炒める
- ②のフライパンに①のアジを入れ、皮目から焼く。焼き目がついたらひっくり返す
- 水80ccとコンソメを入れて、ひと煮立ちさせたら、トマト缶1缶とトマトケチャップを入れて再度火を入れる。塩コショウで味を整える ※お好みで醤油を入れる
- ④にズッキーニ、ナスを入れ、火を通す
缶詰も活用!
サバのアーリオオーリオ
魚の缶詰を使っても。「オリーブオイルを入れて加熱したフライパンに、ニンニクを入れて炒めます。香りが出たら、キャベツを入れ、強火に。キャベツがやわらかくなったらサバの缶詰2個分を入れ、ほぐして加熱。タカノツメ、塩、ブラックペッパーで味を調えたら出来上がり」(市村さん)
材料(2人分)
- キャベツ(大きめにざく切り)1/4個
- サバの水煮の缶詰2個
- ニンニク1片
- タカノツメ、塩ひとつまみ
- コショウ少々
- オリーブオイル(適量)
\ 教えてくれたのは /
市村征洋さん
「Marufuku KYOTO」
京都市下京区朱雀裏畑町17
イワシのパエリア
イワシのうま味が凝縮 フライパン一つでパエリアを
夏においしいイワシの風味たっぷりのパエリアをスペイン料理店「カフェバラッカ」のシェフ・木下清孝さんに教えてもらいました。調理は深めのフライパンでOK。鍋やフライパンでご飯を炊くと、お米がほどよく歯ごたえのある食感になるそう。トマトは刻んで炒めるものと輪切りにしてのせるもの、2つのパターンで使用します。
材料(2人分)
- 昆布1片(5cm)
- イワシ(頭をとって開いたもの。骨付きで可)5匹
- トマト中(半分は細かくカット、半分は輪切り)1個
- タマネギ(みじん切り)中1/6個
- 米1合
- 水360cc
- ローリエ1枚
- ニンニク(みじん切り)1片
作り方
- イワシ2匹分をたたいてつぶす
- 深めのフライパンに①とニンニクを入れ、オリーブオイルで炒める。軽く色づいたらタマネギを加えて炒める。最後に刻んだトマトを加えてさらに炒め、軽く全体をなじませる
- 水360cc、ローリエ1枚、塩4g(分量外)を加え、沸騰させる。沸騰したら米を加える。さらに再沸騰したら少し全体をかき混ぜる。
- 輪切りにしたトマトとイワシ3匹を米の上に並べ、ふたをして弱火で15分焼く
- ふたを開けて水分が残っているようなら少し火力をあげ、残っている水分を飛ばす。スプーンの柄などで鍋底をつついて焦げを少しつける
- 火を止め、ふたをして約5分むらす。イワシに少し塩をまぶして出来上がり
ディアブロ風 悪魔の焼き魚
爽やかなレモンソースで味わうスズキ タカノツメは好みで
スズキなど、白身魚で作るのがおすすめの一品。レモンのきいたソースが食欲をそそります。
「〝ディアブロ風(悪魔の)〟とは辛い料理によく使われます。苦手な人はタカノツメを入れなくてもOKですよ」(木下さん)。身から焼くため、白身の焼き色が香ばしさをアップ。
材料(2人分)
- スズキ1/4匹
- オリーブオイル、ニンニク、タカノツメ…適量
- 刻みパセリ…適量
- レモン1個
- 白ワイン少々
作り方
- スズキに包丁で細かく切れ目を入れる
- 油を引いたフライパンに、魚を身から焼く。焼き目が付いたら、ひっくり返して皮目を焼く
- ②にふたをして約3分寝かせておく
- 別のフライパンでタカノツメ、ニンニクをオリーブオイルで炒める。ニンニクに少し色がついたら火を止めて、白ワインとレモン半分(※)を入れる
- ④のソース全体をかき混ぜながら再び加熱、白濁したらパセリを加える。
- ③の焼き魚に⑤をかけ、残りのレモン半分を添える
※レモンは絞り汁と、皮をむいた身と両方入れる。レモン汁がはねることがあるので要注意
ハモと夏野菜のサルピコンサラダ
ハモの落としを野菜と合わせてさっぱりと 冷やしてなじませて
サルピコンサラダとはみじん切りにした野菜で作るスペイン風マリネのこと。白ワインビネガーをきかせた野菜が、さっぱりとしたハモとマッチ。
「ハモとあえる前に野菜を冷蔵庫で1時間冷やすことで、味が全体によくなじみます」と木下さん。
材料(2人分)
- ハモの落とし3切れ
- キュウリ(みじん切り)1本
- ピーマン(みじん切り)1個
- 赤パプリカ(みじん切り)中1個
- 赤タマネギ(みじん切り)中1個
- レモン汁適量
- 白ワインビネガー、オリーブオイル適量
作り方
- みじん切りした野菜に、塩少々(分量外)をまぶして約10分おく
- ①の水分を切って、白ワインビネガーとオリーブオイルを1対3の割合で加える。さらに塩(分量外)を加えて味を整える。ビネガーを好みで足してもOK
- 冷蔵庫で約1時間冷やす
- 軽く塩、オリーブオイル、レモン汁をかけたハモをそえて完成 ※お好みでレモンや柚子などを加える
\ 教えてくれたのは /
木下清孝さん
「カフェバラッカ」
京都市中京区亀屋町380
(2024年7月13日号より)
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