読者にアンケートをとったところ、回答してくれた976人中、321人が府外から転居した移住者でした。移り住んだきっかけや、実際に住んでみて発見したことなどを聞くと、「なるほど」とうなずけることも。いくつかピックアップしました。
※2023年12月にリビング読者にアンケート。有効回答数976
イラスト/フジー
きっかけ・理由は「文化に憧れて」「テレワークが可能になって」
京都府(注)に移住した321人の読者の中で、「一度は京都を離れたけれど戻ってきた」というUターンの人が、124人。府外の出身者は197人。
仕事や結婚を機に引っ越してきたり、子育てや親の介護のために帰ってきたり。京都に憧れや親しみを抱いて移住を決めたという声も。
また、コロナ禍の社会情勢の変化が、決め手や後押しになったパターンもありました。移住のきっかけや理由を紹介します。
(注)本紙配布エリア
初めて知ったことや意外な発見が
「暮らしてみるまで知らなかった」、「他府県に住んでいたからこそ気が付いた」など。移住後に発見したということを教えてもらいました。
「(Uターン前の)滋賀県では車生活でしたが、京都ではほとんど自転車や徒歩で移動。日常的に軽い運動になっています。自転車や徒歩だからこそ、カフェやショップなどを見つけられ、行動範囲も広がりました」
(京都出身、60代)
「京都に来て紅葉は美しいものなのだと知りました」
(関東出身、30代)
「母の故郷の京都で就職。誰しもまわりの目を気にして生きていると思っていたのですが、京都の人は自分というものをしっかり持ち、他人のことより自分がどう生きたいかを考えている人が多いと感じました」
(関東出身、20代)
「さまざまな文化を身近に大切にしていると感じます。そこら中にお地蔵さまがおり、子どもが手を合わせる習慣があって驚きました」
(中国地方出身、40代)
「実際に住んでみるとほどよく〝(東京や大阪に比べて)小さい町〟で、自分にとってそれこそが京都の住みやすさだと感じています」
(近畿出身、40代)
「移住したらいっぱい観光するぞ!と思っていたけど、住んでみると観光地は人が多くてあまり行っていません…」
(近畿出身、30代)
「京都は人間関係が難しいよと散々脅かされましたが、実際に住んでみると他府県から移ってきた人も多く、京都出身の人から京都らしさを学びつつ、違いも楽しんでいます。友人、親戚の来訪者も多く、そのたびに京都巡りを楽しめます」
(関東出身、60代)
「京都に戻ってから、高い建物が少なく空が広く見えて気持ちがいいなと思いました。ずっと住んでいた頃は気が付きませんでした」
(京都出身、30代)
好きなポイントはココ!
環境や人柄を魅力に感じたり、生活する上で便利と思ったり。「ここが好き!」と思っているポイントは―。
「コンパクトで住みやすい。四季の移り変わりも美しく、13年いても飽きません」
(関東出身、60代)
「歴史や神社仏閣が好きなので、あちこちに歴史遺産がたくさんある環境は願ったりかなったり。子どもにとっても、実際に見て感じることは歴史や地理を理解する良い材料になると思います。また、京都市内には動物園や植物園、水族館があるので、子連れのお出かけには困らない環境だと思いました」
(近畿出身、40代)
「京都人の踏み込みすぎない親切と見込んだ相手を尊重する姿勢が大好きです」
(関東出身、40代)
「生活するには便利でありながら、歴史や伝統を重んじる都会すぎないところが、住みやすく好きです」
(中部出身、50代)
「親戚が住んでいて、都会に近く、田舎の雰囲気も残る長岡京市には、(移住前から)良い印象がありました。やはり便利! スーパーもたくさんあり、曜日によって行くお店を変えて楽しんでいます。京都(市)へも大阪へも出やすく、文化的なイベントなども予想以上に多いですね」
(近畿出身、50代)
困ったことや残念なこともあります
生活していると、良いことばかりではなく困ったことも出てきますよね。移住後の苦労や残念に思っていることなど、率直な意見も集まりました。
「特に困った事はありません。あえて言うなら、パンや和菓子のおいしいお店がたくさんあり、食べ過ぎて太ったことでしょうか」
(近畿出身、50代)
「和歌山県から京都へ。冬の寒さは30年過ごした今も慣れません。冬がとにかくつらい」
(近畿出身、60代)
「桜や紅葉の季節はバスは時間通りには来ないし、車道もとても混みます」
(九州出身、40代)
「就職で東京へ行きましたが、京都の魅力を再認識して、戻ってきました。時間の流れがゆっくりなのはいいのですが、(東京に比べると)遊びに行くところも特になく、刺激にかけるなと思いました」
(京都出身、30代)
「北海道から移住して20年以上経ちますが、夏の暑さにはいまだ慣れません。セミが鳴き出したら、私は息を潜め、小さくなって気配を消し、夏が過ぎるのを待ちます…」
(北海道出身、40代)
編集後記
移住をしたからこそわかったという声を集めた今回の紙面。ずっと京都で暮らしているという人も、視点を変えて改めて〝地元〟を見つめてみては。
(2024年2月10日号より)
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「両親は京都出身で親戚が京都にいるため、小さい頃から頻繁に訪れていました。文化あふれる町の雰囲気が心地よく、いつかは永住したいと願うように。結婚して横浜にいましたが、人生一度きりと思い立って夫婦で移住しました」
(関東出身、30代)
「コロナ禍で、なかなか子どもや孫たちと会えなくなったことから。孫の成長を近くで見守りたい、何より楽しい生活ができるのではと(孫たちが暮らす)宇治市に移住を決めました」
(近畿出身、60代)
「仕事と結婚で京都を離れるも、生まれてから過ごした京都の環境が忘れられず。子育ての環境も考え、子どもの小学校入学前に、実家のある京都に引っ越しを決めました」(京都出身、40代)
「京都の文化や歴史、美しさに魅せられ、外国暮らしを終えた後の居住地に選びました。父が京都出身で、子どもの頃からよく遊びに来ていてなじみもあったので」
(関東出身、50代)
「パン職人になりたくて、食の文化が栄えている関西の京都を選びました」
(関東出身、30代)
「コロナ禍でテレワークが認められるようになり、職場の近くに住んでいなくても仕事ができるようになったため、城陽市へUターンしました」
(京都出身、50代)
「結婚後夫の転勤で福岡県や兵庫県へ。20年して、親の介護のために京都に戻って来ました」
(京都出身、60代)