京都市右京区。ご近所さん家族が集まって、オリジナルの「飛び出し坊や」を製作しているところがあると聞き、取材に行ってきました。
きっかけになったのは自粛期間
「このあたりは道幅が狭い路地だけど、車がよく通るんです」と教えてくれたのは、飛び出し坊やを製作するメンバーのひとり、塩見康博さん。もともと年の近い子どものいる世帯が集まっているエリア。長い自粛期間の影響で子どもたちが自宅周辺で遊ぶことが増えたそう。道に飛び出してしまい、ヒヤリとする場面が多かったといいます。
「通行車両にも注意してもらい、安全に過ごしてほしい」と保護者同士で話すうちに、路地に飛び出し坊やを設置しようということになり、7月、近所の5家族で「路地企画」というプロジェクトを立ち上げました。
5家族の父親は交通工学の専門家、瓦職人、イラストレーター、システムエンジニア、仏教学者と専門分野の違う人たち。それぞれ得意なことを生かしてこのプロジェクトに取り組んでいます。
単に飛び出し坊やを設置するということではなく、塩見さんたちが大切しにしているのは「子どもたち自身が安全について考えること」。
まず、8月に交通安全ワークショップを開催。5家族の子どもが参加し、クイズ形式で交通事故の危険性を学びました。道を横断するルールも子どもたちで決め、ポスターを作って各家に掲示しているのだとか。
子どもたちに、住んでいる地域に興味を持ってもらえるようなワークショップも開きました。
地域との関わりを大切に
飛び出し坊やは子どもたちを見守ってもらうため、お地蔵様の姿に。もうひとつはこの地域にちなんでお釈迦(しゃか)様にしたそう。9月から月2回ほど集まって製作。瓦職人の岳本さんがまとめ役となり、設計からデザイン、塗装まで子どもたちと一緒にすべて自分たちで行っています。
取材した日は、3世帯の親子と1人の父親が参加し、飛び出し坊やの土台を作っていました。型にモルタルを流し込む作業をみんなで一緒に。初めての体験に子どもたちも興味津々です。
モルタルが固まり、土台に看板を取り付ければ完成。出来上がった飛び出し坊やは私有地内に設置されます。
「お父さんはいろんなことができはるからすごい」と、岳本さんの子どもが記者にこっそり教えてくれました。子どもたちにとっても、父親の仕事を知るいい機会になったようです。
5家族以外のご近所さんから声をかけられることもあるそう。
「コロナ禍の中、改めて地域コミュニティーの大切さがわかりました。年の近い子が集まっていたからこそ、親のつながりが生まれて実現できました」と塩見さん。今回のプロジェクトをきっかけに、「今後も子どもが楽しめる催しを一緒に考えたい」といいます。
「路地企画」の問い合わせはメール:shiomi@fc.ritsumei.ac.jp(塩見さん)へ。
(2020年10月31日号より)
最新の投稿
おすすめ情報
- カルチャー教室
- アローズ
- 求人特集
- 不動産特集
- 京都でかなえる家づくり
- 医院病院ナビ
- 高齢者向け住宅 大相談会
- バス・タクシードライバー就職相談会in京都
- きょうとみらい博