秋冬アウターの着こなし方

2020年10月30日 

リビング編集部

1枚で印象を左右するアウター。今年チェックしておきたい3アイテム別に、ふくよかさんやほっそりさんがよりすてきに見えるような着こなし方を、京都市立芸術大学デザイン科教授 滝口洋子さんに教えてもらいました。

イラスト/竹田明日香

さっと羽織れてちょっとした外出にも
ノーカラージャケット

  • スカートはストレートにするなど、タイトに見える部分を作りましょう
  • ストールを巻いて首元に変化を出しても良いですね
  • 足元をスニーカーにするとラフな印象に

メリハリを意識して安心感ある長め丈を

ラフな雰囲気で、上品に着こなせるノーカラー(襟なし)ジャケット。

「コートの下に着たり、カーディガン感覚ですっきりと着こなせるのが魅力」と滝口さん。

「ふくよかさんは、ゆったりとしたスタイルと相性が良いので、ジャケットは多少オーバーサイズでも良いですね。ただし、着こなすにはメリハリが大事。ジャケットの身ごろにパネルライン(袖の付け根からカーブを描いて裾まで伸びる切り替え線)または側面にダーツのあるものや、ポケット、ベルトでウエストを意識させるデザインのものを選んで。

ミセス世代は、長めの丈の方が安心感がありますが、長すぎると足が短く見えるので、ヒップの少し上くらいを目安にしてください」

  • スカートはストレートにするなど、タイトに見える部分を作りましょう
  • ストールを巻いて首元に変化を出しても良いですね
  • 足元をスニーカーにするとラフな印象に
  • ウエストから裾にフリル、丸襟タイプのノーカラージャケットは親しみやすい印象
  • パールのネックレスは首元を華やかに
  • ボトムにパンツを選ぶと、すっきりとしたIラインが作りやすい
  • 明るい色みは視覚的にも動きが出て軽やかに

袖や裾のデザインでシンプルすぎないように

ほっそりさんのポイントは、シンプルなコーディネートにしすぎないことだそう。

「Vネックのノーカラージャケットは細さが強調されるので、首元が寂しくならないようにしてください。ネックレスなどの小物でアレンジしたり、インナーにハイネックやオフタートルを使うなど工夫して。

袖口などにフリルが付いていると、動きや遊びが出てシンプルに見えません。

特に小柄な方は、裾にデザインやアレンジが付いているようなタイプも良いですね。かわいらしく着たいときには、丸襟もおすすめです」

  • ウエストから裾にフリル、丸襟タイプのノーカラージャケットは親しみやすい印象
  • パールのネックレスは首元を華やかに
  • ボトムにパンツを選ぶと、すっきりとしたIラインが作りやすい
  • 明るい色みは視覚的にも動きが出て軽やかに

今年選ぶなら、薄手のタイプを
ダウンコート

  • ステッチなしのダウンコートは新しさを感じさせます。ファー付きの襟で上半身にボリュームを
  • ストレートタイプのワンピース、大きめの柄がふくよかさんの魅力をアップ
  • ロングブーツでIラインを強調

もこもこして見えないステッチなしを

暖かな半面、ボリュームもあるダウンコートはどう着こなしましょう。

「ふくよかな方が今年選ぶなら、もこもこしない薄手のタイプで、ステッチがないもの、もしくは少なめのものを。

防寒を考えると、ヒップの隠れるミドル丈かロング丈がおすすめ。いずれも側面を意識させるポケット、切り替え線などがあれば、きれいめな印象になります。

また、襟元にファー付きのものなら縦長ラインを強調できます。インナーはストレートタイプのワンピースなど、できるだけすっきりと」

  • ステッチなしのダウンコートは新しさを感じさせます。ファー付きの襟で上半身にボリュームを
  • ストレートタイプのワンピース、大きめの柄がふくよかさんの魅力をアップ
  • ロングブーツでIラインを強調
  • ダウンコートは細めシルエットで、かれんさを引き出す着こなしを
  • インナーはクルーネックのニットですっきり
  • ハイウエスト、ワイドなキュロットスカートでAラインを意識して

ミドル丈を選んであえて細めのスタイルに

ほっそりさんも、今年はボリュームを抑えたダウンで魅力アップ。

「丈は、ほっそりさんならではのアクティブさを表現できて、どんなインナーにも合うミドル丈が良いと思います。

さらに、アーガイル(菱形)のようなデザイン性のあるステッチのものは、上品さを演出します。

ファー付きの襟でボリュームを持たせて細身をカバーするのもいいですが、あえてファーなしを選んでAラインを強調すると、もう一つのほっそりさんの魅力〝かれんさ〟を出せると思います」

  • ダウンコートは細めシルエットで、かれんさを引き出す着こなしを
  • インナーはクルーネックのニットですっきり
  • ハイウエスト、ワイドなキュロットスカートでAラインを意識して

1枚でスタイリングが決まる
スーパーロングコート

  • ロングコートは大きめのグレンチェック柄が落ち着いて見えます
  • 落ち着いた差し色のインナーやボトムでロングコートの柄物とバランスをとって

ゆったりとしたシルエットがおおらかな印象に

「ロングコートも、ふくよかさんはゆったりとしたタイプを着ることで、おおらかで優しい印象を出せます。ですが、こちらもメリハリを出すために、ウエスト位置がイメージできるようなデザインのものがおすすめです」

秋冬に増えるチェック柄を選ぶとしたら。

「20、30代なら細かくてカラフルな柄、40、50代ならクラシックな柄がおすすめです。中でも、大柄のグレンチェックなど、綺麗めな感じが似合うのではないでしょうか」

  • ロングコートは大きめのグレンチェック柄が落ち着いて見えます
  • 落ち着いた差し色のインナーやボトムでロングコートの柄物とバランスをとって
  • 何にでも合わせやすいトレンチコートをロングタイプで
  • ロングコートが落ち着いた色なら、インナーや小物を明るい色みにしてアクセントに
  • スカートの丈をロングコートに合わせると見た目もすっきり

遊びのあるデザインでロングでも軽やかに

「スーパーロングコートは、清潔できっちりとしたイメージを与えます。ほっそりさんが着るなら、袖のふくらみなど遊びのあるデザインを選んでシルエットに動きを出しましょう。

オーバーサイズだと〝着られている感〟が出るので、ウエストに切り替えのあるようなXラインを意識して選んで。全体のどこかにタイトな部分をつくると良いですよ。

ロングスカートやデニムとも相性が良く、一枚羽織るだけで様になります。短めのボトムのときは、ヒールのあるロングブーツなどでコートの丈とバランスをとって」

  • 何にでも合わせやすいトレンチコートをロングタイプで
  • ロングコートが落ち着いた色なら、インナーや小物を明るい色みにしてアクセントに
  • スカートの丈をロングコートに合わせると見た目もすっきり
教えてくれたのは京都市立芸術大学
デザイン科教授
滝口洋子さん

どんな服を着るかの前に、姿勢を良くすることが一番大切。老け感がなくなって、すてきに見えますから。

まずは頭を上げることを意識して。立っているなら足で床を、座っているならお尻で椅子を押すように。腰を反るのではなく、イメージするなら羽根を広げて尻尾を下ろす格好に。空気をいっぱい吸い込んで胸を開いた状態にするのも良いですね。

人の内面と衣服をつなぐのがファッション。着こなしやふるまいがさまざまに影響し合って魅力的になるのだと思います。

(2020年10月31日号より)