それってどんな料理?

2023年10月20日 

リビング編集部

イタリアンやフレンチ。友人とのランチで、メニューを見て「これってどんな料理だろう?」と思ったことはありませんか。今回は、そんな料理についての話です。

イラスト/フジー

料理名をクリックすると、解説に移動します 】

  1. タルタル
  2. バロンティーヌ
  3. ポワレ
  4. コンフィ
  1. ブルスケッタ
  2. タリアータ
  3. カチャトーラ
  4. アクアパッツア
  1. ガスパチョ
  2. トルティージャ

上に並んでいるのは、イタリア、フランス、スペインのさまざまな料理の名前。「食べたことがある」「聞いたことはある」という人もいるのでは。ただ、01から10までどんな料理か説明できるかというと、難しいかも。

そこで、これらの知っているようで知らない料理や、その調理法について、大和学園京都調理師専門学校調理師科学科長の角嘉久さんに解説してもらいました。

料理の歴史や名前の由来も紹介しています。※諸説あり

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フランス料理

タルタル

「マヨネーズをベースにしたタルタルソースとは別物です」と角さん。フランス料理では、牛や馬などの赤身肉を生のまま細かく切り、塩・こしょうで味付けした料理のこと。「名前の語源はモンゴルの遊牧民〝タタール人〟といわれています。遠征の際に食用にしていた馬の肉が硬いので、細かく切っていたことが由来だとか。卵黄を混ぜながら食べるのが一般的です」

バロンティーヌ

フランス語で〝包む〟という意味。開いた鶏肉の上にミンチや野菜などを敷き詰め、筒状に巻いたものを低温でボイル。輪切りにして食べる料理です。「断面の美しさが人気の一品。コース料理にもよく登場します」

ポワレ

ポワレとはフランス料理の調理法の一つ。蒸し焼きを表すこともありますが、現在はフライパンで香ばしく焼くことをいう場合が多いそう。「タイやスズキといった白身魚と相性の良い調理法です。ほかに〝ロティ〟はオーブン焼き、〝プレゼ〟は少量の水を入れて蒸し煮にすること。こちらもよくあるので、覚えておくといいですよ」

コンフィ

油脂で煮るという、フランス料理の伝統的な調理法をいいます。「油脂でじっくりと煮た後、そのまま漬けて冷やしておけば保存食に。冷凍技術のない時代に肉を保存する手段として重宝されました。〝鴨のコンフィ〟が有名ですが、カモの場合は臭みを取り、柔らかくするため、調味料や香辛料に1日漬け込んでから煮ます」

イタリア料理

ブルスケッタ

スライスして焼いたパンにニンニクやトマト、オリーブオイルをのせたものが一般的。「イタリア語であぶるという意味の〝ブルシャーレ〟が語源。時間がたち硬くなったパンをおいしく食べるための工夫の一つです」

タリアータ

焼いた牛肉をカットし、ルッコラなどの野菜を添えてパルメザンチーズ、バルサミコ酢などをかけたもの。「牛肉と野菜を一緒に食べる料理として親しまれています。語源はイタリア語の〝タリアーレ(切り離す)〟という意味の言葉です」

カチャトーラ

鶏肉を香味野菜やハーブと一緒にワインで煮込む料理で、具材はさまざま。「カチャトーラには〝猟師風〟という意味が。猟師が捕ってきたニワトリやキノコなどの食材で作るものといういわれがあります。また、オーブンに入れるだけでできるので、その間に猟に出ることから名付けられたという説も」

アクアパッツア

ナポリの漁師が新鮮な魚を焼き、水やトマト、ワインで煮込んだことが始まり。「イタリア語でアクアは水、パッツアは狂気。名前の由来は、ぼこぼこと沸騰する様が狂ったように見えるなど、諸説あります。また、イタリアで魚料理は高級で、豪華に見える姿焼きが主流です」

スペイン料理

ガスパチョ

トマト、ピーマン、キュウリ、ニンニク、パンなどを具材にした冷製スープ。〝食べる野菜〟といわれることも。「元はパンとニンニク、水、酢だけで作っていました。スペインにトマトが伝わった後18世紀ごろから、野菜を入れるように。名前の由来は〝水に浸したパン〟です」

トルティージャ

平らに丸く焼いたオムレツのこと。厚さは2〜3cmあり、ケーキのような見た目が特徴です。「スペインを代表する卵料理の一つで、〝スパニッシュオムレツ〟と呼ばれることも。ジャガイモとタマネギを入れたものが多く見られますが、スペインでは家庭料理として親しまれ、家によって具材が違います」

教えてくれたのは
学校法人大和学園
京都調理師専門学校 調理師科
学科長 角嘉久さん
https://www.kyoto-chorishi.ac.jp/

(2023年10月21日号より)