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知的・発達障がいのある子どもを育てる親たちの交流の場「じゃりここ広場」

2023年2月10日 

リビング編集部

知的・発達障がいのある子どもを育てる親たちの交流の場「じゃりここ広場」

月に1回、知的・発達障がいがある子どもを育てる、親のための交流会が京都市中京区で行われています。会場をのぞいてみると、当事者同士が共感しあい、笑って話せる和やかな空気に満ちていました。

撮影/桂伸也

JR「二条」駅から西へ10分ほど歩いたところにあるコミュニティースペース「てらはうす」。昨年12月下旬、こちらで知的・発達障がい児を育てる親たちの交流会「じゃりここ広場〜ここにいるよ〜」が開かれていました。

参加していたのは6人。お菓子や飲み物を囲みながら、子どもの反抗期のこと、思春期ならではの問題、言動の発達についてなど話は次々と広がります。

「作業所に通うと刺激があるのか、息子も言葉が以前より出てくるようになったかな。あいさつは朝も『こんばんは』やけど」「うちの娘は誰にでもあいさつするから困るわ」「息子は自分からはできるのに、先に声をかけられると固まってる」「そこは『こんばんは』ちゃうん?」

2人の会話に、あははは…と笑い声があふれます。特に会話のテーマは決めていないそう。そのあとも、グループホームや成年後見人制度、障害年金についてなど、時に情報交換もしつつの和やかな2時間でした。

悩みを相談して解決するというより、「うちはこうだけど〇〇くんは?」「そんなこともあるんやね」と気さくに話して聞き合う参加者たち

「当事者同士だから悩みも笑って話せる」

この日、迎えてくれたのは「じゃりここ広場」の世話役の江藤照恵さん。江藤さんは、知的・発達障がいのある子どもたちの休日・余暇の充実を目的として活動している「休日余暇支援活動じゃりんこ」の世話役でもあります。こちらは月に2〜4回、学生ボランティアと子どもたちがペアを組み、レクリエーションに出かけるなどの活動をしていますが、30年以上続いているそうです。

一方、「じゃりここ広場」がスタートしたのは、2021年。きっかけは「障がい児を育てる親が、わが子を傷つけるという、痛ましい事件が身近に起こったことでした」と江藤さん。「ここ数年は特に親同士が交流する機会が減少し、親たちが子育ての悩みをひとりで抱え込む危険性も増していました。親が『しんどい』といえる場をつくりたい、つながりをつくりたいと思ったんです」と。「じゃりんこ」に参加している他の親たちも同様の思いで、皆で同会を立ちあげ運営することになったそう。

活動は月に1回。気軽におしゃべりする場を基本に、回によってはテラリウム作りなど楽しめるようなワークショップも開催しています。

「話すだけでストレスが飛ぶんです」「健常な子の親だと笑えないようなことも、当事者同士なら笑って話せます」などと話してくれました。

知的・発達障がいのある子を持つ親なら、誰でも参加可能。今後は勉強会なども実施予定とか。

「どうかひとりで悩まないで。しんどければ誰かが『ここにいるよ』」。参加者からは、そんな声があがっていました。

問い合わせは、江藤さん=090(8828)9921=へ。

「『じゃりここ広場』は、経験者同士がいろいろと教え、学べる場。こぢんまりと長く続けたいです」と江藤さん
この日の参加メンバーは子どもが成人の母親がほとんどでしたが、「幼いお子さんをお持ちの場合は、悩みに応じて別の障がい者支援団体を紹介することもできます」とのこと

「じゃりここ広場~ここにいるよ~」

開催 毎月第4木曜日 午前10時〜正午

参加無料・出入り自由
開催予定など詳細は 「LINE」公式アカウントで確認を。
LINE ID/@551runqr

(2023年2月11日号より)