「リビング京都」では、新時代の〝働く〟を考えるシリーズを展開中。3回目は、読者から寄せられた悩みについて、専門家からアドバイスをもらいました。
イラスト/フジー
4カ所の相談窓口に聞きました
働き方が多様化している今。読者からは「子どもが成長して時短制度が利用できなくなるので家事との両立が不安」「定年後はどう働くべき?」などの声が届きました。
今回はそうした悩みを持つ人を支えている相談窓口へ。「キャリア形成サポートセンター」「京都ジョブパーク」「京都市わかもの就職支援センター 就職氷河期世代活躍支援コーナー」「京都府元気シニア活躍協議会」で話を聞きました。アドバイスを参考にすれば、幅広い選択肢が見えてきそう!
リーダーシップがないのに年功序列的に管理職に。このままあと10年以上勤務予定。部下たちもいるので自分自身変わりたいけれど、何もできずに数年たつ。(50歳・正社員・女性)
おすすめは課題を分けてみること。分解して考えると解決の糸口が見えてきます。例えば、リーダーシップにはメンバーの状況を把握し、その状況に合う仕事を割り振ることも含まれますよね。そして状況を把握するための密なコミュニケーションは、日頃の声掛けなどから生まれてくるもの。声掛けならできそうではありませんか? このようにできることを少しずつ積み上げてはいかがでしょうか。(飛田さん)
下の子が小学生になると時短制度が利用できなくなるので両立が不安。また管理職を検討する段階にあり、キャリアアップを目指すか迷う。(39歳・正社員・女性)
フルタイム勤務だと、子育てとの両立に不安は尽きないところですね。管理職を検討するなら仕事はお続けになりたいのかなと思われます。一度、これまでと将来のライフプランを見直してみては。子どもやパートナーのことも踏まえ、具体的にイメージしてみてください。また、子どもを人に預けて働くことに罪悪感は不要ですよ。精いっぱい愛して、仕事でも頑張っている姿を見せることで子どもなりに何かをつかんで成長していきます。(飛田さん)
2年後に退職、その後は1年ごとの雇用契約に。5年間は働けるが、多忙な職場なので体も心配。年金も絡んでくるので残った方がいいかどうか…。(58歳・正社員・女性)
自分や家族の健康状態、会社の経営などが今後どうなるかは分からず、今決断するのは難しいですよね。年金制度も毎年のように改正されているので、まずは情報を集めておきましょう。再雇用の場合、条件は悪くなりがちですが、転職をすると人間関係を含め職場環境がガラッと変わることには注意を。時には相談窓口を頼りながら、自分の気持ちを大切にして働き方を選んでもらえたらと思います。(小倉さん)
現在の仕事が3月で契約終了。年金は未納期間が長いので70歳くらいまでは繰り下げたい。それまで仕事がしたいけれど、見つかるか心配。(65歳・パート・女性)
職種によっては60代でも求人が見つかりやすいものも。ハローワーク、情報誌、就職サイトなど情報源はいろいろあります。不採用が続いても諦めないことが肝心。就職セミナーに参加すると、自分だけが仕事を探しているわけではないと分かって励まされますよ。年齢がハードルになるなら企業に直接出向いて面接をお願いするのも手。また、知人に紹介してもらうという方法もあります。(小倉さん)
子どもの手が離れたのである程度収入が得られる仕事をしたいけれど、年齢や未経験がネックで見つからない。定年後も働き続けるならどう選択すればいい?(46歳・パート・女性)
経験がないと思い込んでいても、これまでの仕事で専門的なスキルが身についていることが。自分では気づきにくいかもしれませんが、アドバイスを受けて選択肢が広がったという方は多いです。将来を見据えてスキルアップをするなら、職業訓練に参加するのもいいですね。契約・派遣社員で入社してから正社員を目指すという方法もあるので、視野を狭めず探してみてください。(日並さん)
家事・育児と両立できる仕事がなかなかなく、また応募時の事務作業が多すぎて一苦労。面接で初めて知った条件が希望と合わないなど、手間ばかりで前に進めない。(44歳・専業主婦・女性)
近所で仕事を探しているなら、お店の張り紙やショッピングセンターの掲示板の求人情報にも目を向けてみませんか。急募のため応募書類は最低限でOKという場合が多いです。希望と違ったからすぐ辞めてまた仕事探し、とならないためにも面接は大事なのでそこは気持ちの切り替えを。子育て中の方が対象の相談窓口を活用して書類作成や面接のアドバイスをもらうのも、効率のいい就職活動につながりますよ。(日並さん)
2年前に夫が60歳で定年退職し、現在無職。私が扶養している。子どもは自立し何とかなっているが、私の定年後を考えると今から正社員になるか悩む。(52歳・パート・女性)
少しでも年金受給額を増やすという観点から、収入アップを目指すことや、正社員になるということも選択肢の一つだと思います。年金受給の仕組みも変わってきているので、受給開始時期など今からご夫婦で検討を。人生100年時代、改正高年齢者雇用安定法では70歳までの就業機会の確保が提案されています。生涯現役も視野に入れながら、今後のキャリアプランを考えてみませんか。(山下さん)
夫の扶養内で働いているが、2024年から130万円の壁が引き下げられる(※)ので手取りが減る。とはいえ扶養を外れるのは時間・体力・精神的にも不安…。(44歳・パート・女性)
※下表参照
制度改正を踏まえて今後の働き方を再検討してみましょう。収入を維持するなら多様な働き方ができる時代だからこそ、副業で在宅ワークや短期アルバイトなどを視野に入れたり、同時間で時給の高い仕事への転職を考えてみることも一案です。あるいは制度の恩恵を存分に活用するためにフルタイムで働いていくことも考える必要があります。いずれにしても、2024年10月予定の制度改正までを新たな働き方への準備期間として捉え、情報収集や学び、資格取得などご自身の可能性を広げる視点を持つことが大切です。ご家族や就労支援施設にも相談してはいかがでしょう。(前田さん、中井さん)
新たな可能性に気づけるかも!
紹介したような悩みのほか、漠然とした不安があるという人は多いかも。制度変更などの情報にアンテナを張り、今後の働き方についてさまざまなケースを想定しておきたいですね。
一人で悩んでいると考えが凝り固まりがち。専門家に相談することで新たな可能性に気づけることもありますよ。
悩みに対応してくれる窓口
京都ジョブパーク
若年層からシニアまで幅広く対応。担当のキャリアカウンセラーによる個々に合わせた就労支援が行われています。
京都市南区東九条下殿田町70
京都テルサ西館3階
TEL:075(682)8915
京都市わかもの就職支援センター
就職氷河期世代活躍支援コーナー
おおむね35歳~54歳の就職をサポート。対面のほか、オンラインなら早朝・夜間も相談OK。
京都市下京区東塩小路町939
キャンパスプラザ京都6階
TEL:075(366)5009
「リビング京都」では、新時代の〝働く〟を考えるシリーズを展開していきます。シリーズ記事を読んだ感想や、今後「新時代の〝働く〟シリーズ」で取り上げてほしい内容などをお寄せください。
(2023年1月28日号より)
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