第9回京都女性起業家賞で京都リビング新聞社賞を受賞

2022年8月19日 

リビング編集部

合同会社akari 代表 中尾麻里さん

「第9回京都女性起業家賞(アントレプレナー賞)」で、京都リビング新聞社賞を受賞した中尾麻里さん。物販だけでなく卸も開始、新事業もスタートさせました。

仕入れ先はモロッコ 翻訳機を使って交渉しました

中尾さんが扱うのは、バブーシュというモロッコ生まれのスリッパ。仕入れ、販売、7月からは全国の百貨店への卸も。

そもそも、なぜスリッパだったのでしょう?

「履いていたスリッパを滑らせて、階段から落ちたんですよね。それで滑らないものを探していたら、出合ったのがこのバブーシュなんです」

当時3人の子どもを育てながら、看護師として働いていた中尾さんですが「子ども2人に先天性の疾患があり、毎日のように保育園から呼び出しがあって。その度、担当の患者さんを別の人に任せなきゃいけない。それがつらかった。この仕事は続けられないかなと思っていたころでした」

気に入ったバブーシュは「値段は高いし、売っているお店も少ない。それなら、現地から直接買ってみようと」。

まず、インターネットで調べたモロッコの工房30社にメールで連絡、依頼文には翻訳機を使いましたが「返事が返ってきたのは2社だけ。でも、モロッコって英語じゃないんですよね。英語が通じたところだけが返信をくれたのかも(笑)」。

そうして直接買い付けているうちに、本格的に起業を決意、病院を退職しました。「自分が楽しくないと、子どもも楽しくないと思ったんです」

中尾さんがデザインを考案、現地に要望を伝えて製品化し、人気上昇、評判となりました。

現在は、会社員だった夫が退職して、事務方の仕事をしながら、家では家事全般をしてくれているとか。そして、中尾さんは2月から、重度心身障がい児のための「放課後等デイサービス」を新たに始めています。

バブーシュを手に「色やデザインは細かく絵に描いて指示します」と中尾さん。「思い通りのものができてくるまで何度もやりとりします」
https://unm331.com/

(文:山舗恵子 撮影:児島肇)

(2022年8月20日号より)