キレイが続くプロの収納術

2021年12月10日 

リビング編集部

年末大掃除の時期。来年こそ〝いつもキレイなわが家〟を保てるよう、プロに具体的な収納法を教えてもらいました。

撮影/二階堂直敬

リバウンドを防ぐには

片付けてもすぐ散らかってしまう…。「そんなリバウンドを繰り返す人は、収納の前に〝整理〟ができていないのかも」。そう話すのは、整理収納アドバイザーの山本さやかさんです。

「整理とは、物と向き合い要、不要を分ける作業。整理する場所を決めたらまず、そこに入っている物をすべて出します。そして、本当に必要な物だけを残しましょう。仕分けは大変かもしれませんが、この整理が不十分だとうまく収納できません」

家の収納スペースに収まる量を保つのが基本だそう。整理ができたらいよいよ収納です。

「収納のポイントは〝動線〟と〝頻度〟。例えば薬箱はリビングにあるとしても、洗顔後に使う肌荒れの薬なら洗面所に置くのがベスト。使う場所から離れたところにしまうのは、出しっぱなしのもとになります。

また、よく使う物はなるべく取り出しやすい場所へ。物の種類別ではなく、使用頻度別の収納を心がけましょう」

実際に、山本さんが自宅で行っている収納法を見せてもらいました。

物すべてに〝住所〟を作り

持ち込んだらすぐ分類を

家族みんなが集まるリビング・ダイニングは、物も多く散らかりがち。

「とりあえず置く、が積み重なるとあとで整理する手間が掛かり、結局散らかったままに。持ち込んだらすぐしまうことがポイントです。そのためには、すべての物に住所、つまり置き場を作っておきましょう」と山本さん。

「人によって使い勝手は異なるので、家族とよく相談して〝住所〟を決めることが大切ですよ」

可動式のワゴンでテーブルの上がすっきり

リモコンや文房具、ハンドクリームに読みかけの本など、テーブルでよく使うものを可動式のワゴンに一括。「すぐ近くに収納場所がない場合におすすめ。テーブル下も活用を。ホルダーを付けてティッシュなどを収納しても」

上着やおもちゃにも収納場所を設けて

ついソファなどに置いてしまう制服や上着は、リビング脇のスペースにフックを設置して〝ちょい置き〟を回避。「かばんも専用のラックなどに置くといいですね。子どものおもちゃも収納場所を決めて。ソファの下も有効活用できますよ」

書類の分類は細かく出し入れは簡単に

たまりがちな書類は、ポケット式ファイルより出し入れ簡単なクリアホルダーへ。「子ども関係は、『部活』『塾』『健診』などジャンルごとにインデックスを付けたホルダーを作成。子ども2人と家族、三つのボックスファイルに分けて収納しています」

汚れやすい場所は

毎晩のリセットを習慣に

水回りやコンロなどの汚れは放っておくと落ちにくくなります。

「毎日夜にはリセットする習慣を。そのためには、しまいやすく使いやすい状態をつくること。キッチンカウンター、食器棚は使用頻度と動線をもとに道具や食器の場所を決めましょう。つい詰め込む冷蔵庫は、かごを活用してスペースを区切ればスッキリ収まります」(山本さん)

調理の流れを考えて道具類の場所を決定

シンク下には水切りに使うザルやボウル、鍋などを、コンロ下にはフライパンを、と道具は作業の始点近くにしまって。「ピーラーや軽量スプーンなど使用頻度が高いものは、種類に関係なく使いやすい場所へ」。つり戸棚の中は取っ手付きのカゴで分類。出し入れにも便利です。

かごと縦収納で食材の迷子を防止

冷蔵庫内も100円均一ショップなどのかごにラベルを貼って分類。「『ごはん食セット』『パン食セット』など一緒に使うものはまとめています」。冷凍庫・野菜室もかごで区切り、すべて立てて収納。「かごは、庫内のサイズにピッタリのものを選ぶのが大切ですよ」

出し入れの動作をなるべく減らして

「食器棚は、左側の扉を開けたところに日常でよく使うものをまとめています」。1度の開閉ですべて出し入れできるので片付けも簡単。来客用など使用頻度が低いものは棚の右側へ。

在庫管理がしやすいよう

ストックは置ける分だけ

洗面所は小さなスペースなので、大掃除の取っ掛かりにもおすすめ。洗剤や掃除道具は使わなくなったものを省き、在庫の数を把握して。

「家族みんなが毎日必ず使う場所なので、ここが片付くと朝晩の行動がスムーズになりますよ」

鏡うらの収納は家族別に棚を分けて

「左側は私、右側は子どもたちと夫が一段ずつ使っています」。中央は家族みんなで使うものを収納。

ボックスファイルで目隠ししつつ分類

奥行きがある洗面ボウル下の収納。「掃除、洗濯、風呂とあふれがちな洗剤を、目隠しも兼ねてボックスファイルで分類しています」。左側の引き出しには、使い捨てのシートなどの消耗品や雑巾を入れて。

習慣が付くまでは

親子で片付けを

親が勝手に収納場所を決めるのはNG。「子どもが使いやすいよう、相談しながら進めて。一人で片付けられるようになるまでは親がサポートしてあげましょう」

夕飯の前や寝る前など、片付ける時間を決めておくとよいそう。

デスクまわりによく使う物を集約して

学校の持ち物はラックなどにまとめておくと、身支度もしやすく。「問題集や辞典、学校のプリントなどもデスク脇の棚におき、手を伸ばせばすぐ届くようにしています」

おもちゃはかごでざっくり分類

おもちゃは「ボール」「カード」など大まかなジャンルに分類。子どももわかりやすいようかごにラベルを貼り、入れるだけの収納に。「細かく分けすぎず、分類を間違っても怒らないこと。床にモノがない状態でよし、としています」

クローゼットがパンパン!

衣類の整理のポイントは?

「以前買った服が捨てられない、という人は、それを着て一度外出してみて」と山本さん。「ショーウインドーや鏡に映った自分を見て、今人に会っても恥ずかしくないかどうかで判断しましょう」

教えてくれたのは

整理収納はセンスではなく技術。やればやるほどうまくなります!

整理収納アドバイザー
山本さやかさん
アイリーライフ代表)

(2021年12月11日号より)