京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!
日本独特の宿文化を感じる 愛すべき「ボロ宿」を訪ねて
本書でいう「ボロ宿」とは本当にボロい宿というわけではなく、歴史的価値のある宿から古い安宿までをひっくるめて、愛情を込めて「ボロ宿」と呼んでいる。宿は新しく奇麗でオシャレに越したことはないが、そんな宿はあまり記憶に残らない。
本書には登録有形文化財にもなっている歴史ある旅館、湯治(とうじ)宿、商人宿、駅前旅館とさまざまな「ボロ宿」が紹介され旅心をくすぐられる。とはいえ時代の流れとともにどんどん姿を消しているという。
ボロ宿の魅力は「消えゆくものへの郷愁」と著者。昔から脈々と続いてきた歴史を感じながら日本独特の宿文化をいま一度見直し、今しかできない旅に出てみたくなるのだった。
■本の紹介者
ことばのはおと
中村仁さん
http://www.kotobanohaoto.net/
(2023年11月11日号より)
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