【コレ読んで!】はるこの祇園祭

2022年6月10日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

はるこの祇園祭
コドモト(1706円)

〝京都の夏〟を感じさせる やさしく不思議な物語

夏が近づき京都の街中はなんとなくそわそわしている。その中心にある祇園祭。いったいどこからどこまでが「祭」なのだろうか。
山鉾(やまほこ)巡行は祭りのピークかもしれないが、祇園囃子(ばやし)の練習は耳をすませば4月でも聞こえてくるし、巡行後も熱気は街にしばらく居座り続ける。

本書では「ヨソの人」には見えづらい祇園祭をやさしく描いていく。 祭りには明確な終わりも始まりも、関わる人も、虫も神様もはっきりとした区別はないのかもしれない。それもこれもひっくるめて「京都の夏」なのだろう。

はるこがたどった不思議な物語と、そっと添えられるさわやかなイラストが、そんなことを教えてくれる。

■本の紹介者
開風社 待賢ブックセンター
鳥居貴彦さん
 
http://kaifusha-books.com/taiken/

(2022年6月11日号より)