【コレ読んで!】遥かに届くきみの聲

2020年8月28日 

リビング編集部

京都の書店員やカフェ店主がおすすめの本を紹介。
すてきな一冊に出あえそう!

遥かに届くきみの聲
大橋崇行 双葉文庫(693円)

なつかしい感情を呼び戻す朗読がテーマの青春小説

文字を声にして、その物語を伝える朗読。
小宮透は、かつて天才子役と呼ばれ輝かしい時間を過ごした。挫折を機に、その過去の栄光を隠して高校生活を送ろうとしていた。
しかし、以前朗読コンクールに出場していた沢本遥と出会い、思いを伝えることの難しさや、自分だけの力ではなく誰かに支えられて生きているという事に気付かされる。

「双葉文庫ルーキー大賞」の第1回受賞作品となった、「朗読」をテーマにした斬新な青春小説。

年を経るにつれ「青春」という言葉の響きになつかしささえ感じるが、同時になじみのない言葉にもなりつつある。青春時代の感情を呼び戻せる一冊。

■本の紹介者
大垣書店四条店
小林素紀さん

https://www.books-ogaki.co.jp/

(2020年8月29日号より)