綾部市に移住した9家族が立ち上げた、しょうゆ醸造会社「今しぼり」。昔ながらの醸造方法にこだわり、原材料の小麦や大豆は、自社や綾部産のものも使っています。
「しょうゆは世界遺産でもある和食の、代表的な調味料。昔は各家庭で作られていたようです。そんなしょうゆを手作りできるキットを作りました」と代表の多田さん。このキット「育てる醤油」は、麹(こうじ)に水を注ぎ、夏を越えるまで半年以上定期的に混ぜて作ります。食を通して暮らしの豊かさを考えたい同社の「手作りの暮らしを取り戻そう」との思いから生まれたのだとか。発酵熟成の過程が楽しめます。
茶農家としてお茶を育てながら、綾部市で和菓子店「Goodies(グディーズ)」を営む和菓子職人の橋本さん。自らの手で育てた茶をふんだんに使用した和スイーツ「茶和らび(さわらび)」は、「中丹いち推し商品」(中丹広域振興局)の一つに選ばれています。
「綾部市は、実は茶どころ。綾部茶は府内や全国の茶品評会でも賞を受賞しているほど。お菓子にはお点前でいただくような茶を使っているので、茶由来の苦みと甘味が生かされるんです」
「茶和らび」は、わらび餅の中に抹茶クリームを、外側には抹茶をふりかけた〝綾部の茶〟をたっぷり味わえる一品です。
京都市右京区嵯峨野や西京区大原野の竹林。観光地である一方、整備されずに荒れている竹林があります。そこで、この地域から出るタケノコを活用した「京タケノコカレー」(各972円)の商品化プロジェクトがスタートしました。
「文化的景観を守り里山を保全することで防災や環境改善にもなります。それだけでなく、タケノコは地元の人が採って、アク抜きなどの加工もしています。雇用を生み生活に結び付けることで活動も持続できればと思います」とアドプランツコーポレーション代表の増永さん。
「森の京都DMO」が京丹波町の「京都ハバネロの里」と共同で商品化した「京野菜ピクルス」(各626円)。亀岡市、南丹市、綾部市、福知山市、京丹波町産の野菜を使用。下漬けをしっかりとしているため深い味わいが魅力といいます。
製造は亀岡福祉会の「かめおか作業所」が行うなど、農業と福祉の連携にも特徴が。京丹波町の道の駅などで販売されています。6月からは、オンライン販売もスタートしました。
「木津川の地下水と豊かな土壌で育つ『山城のねぎ』は風味も日持ちも良いんです」と木津川市にある秋田農園の秋田さん。「『山城のねぎ』のおいしさを伝えたい」と生まれたのが、「ねぎベーゼ」「ねぎジャム」「ねぎ味噌」(各100g・780円)です。それぞれパスタ、パン、米に合う〝主食のお供〟。
「ねぎベーゼ」は、ネギの風味を生かしてジェノベーゼ風にしたもの。「平成29年度 京の食六次産業化コンテスト」では、特別賞を受賞しました。卵との相性が良く卵がけご飯にもおすすめです。
おしゃれなせっけんには、なんとナマコのエキスが含まれています。
原材料となるナマコの戻し汁は、伊根町の「来福(Life)水産」から提供されたもの。せっけんは精華町の「手づくり石けんの店ツクツク」で手作りされています。
「京都府の北と南がつながって特産品ができました」と話してくれた、同店代表の佃さん。
「ナマコはコラーゲンやセラミドが豊富。洗い上がりがしっとりで驚かされました」