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子どもが描く未来の家




斬新なデザインの「焼き鳥の家」。現代建築の構法で実現可能!?

形木原広翔くん 6歳(小学1年生)
大好きな「焼き鳥」をモチーフにした家を考えました。庭でキャンプがしたい。たくさんの人と楽しく暮らしたい。

「建築とは無関係な分野からデザインの発想を得ている想像力の豊かさ、ユニークさに驚かされました」と平尾さん。形木原広翔(かたぎはらひろと)くんが描いたのは、紫色のタワーから張り出した居室フロアのある家です。左側は「にわ」、右側の「ねぎおきば」はキャンプ道具の置き場所を想定したそう。

奇抜なデザインですが、「キャンチレバーなら実現できるかもしれません」と平尾さん。「キャンチレバーは、現代建築のひとつで、片側に張り出す構造方式。オランダでよく見られる建築スタイルです」

絵をもとに、実際のサイズを考えてみると「タワー部分に動線を設け、張り出したスペースが3フロア。フロア間は約2mとして全体の高さは概ね13m。5階建てのビルに相当する、住宅としては大きい建物になりますね」と平尾さん。「子どもの好みや夢が、大きな太陽、青く晴れた空のもとに投影されていて、感動しました」

明るい色調の「みんなの大きい家」は、
家族の変化も受け止めてくれそう

村田依沙さん 8歳(小学3年生)
お姉ちゃん、お兄ちゃんが将来結婚して子どもができても、みんなで一緒に住みたい。

村田依沙(いさ)さんは、母親と姉、兄の4人家族。この家は1階が母親、2階が自分、3階には将来の姉一家と兄一家のフロア。家族の仲がとても良いそうで、母親の光代さんは「大人になったら私が大きい家を買うから、みんなで一緒に暮らそうと話してくれています」と言います。

「テーマが明確で、迷いのない力強さが見てとれます」と中村さん。「この絵のポイントは『窓』。一見すると窓が小さく感じるかもしれませんが、『家が大きいので窓を小さめに表現した』ととることもできます」

また、「大きな勾配屋根の3階建て。2家族が暮らす予定の3階は、屋根裏のスペースも活用できそう。お母さんの老後を考えると、1階の割り当ては適切です」。

「2階に暮らす作者が、姉・兄の世帯と母親をつなぐ、家族の中心的な存在になるのではないでしょうか。家族の成長に合わせて家も変化します。明るい色調のこの家は、家族の変化を丸ごと受け止めてくれそうな、おおらかな家になりそうです」

教えてくれたのは

平尾和洋さん
立命館大学理工学部建築都市デザイン学科教授。「家は場所の数・人の数だけ多様にある」
中村卓さん
京都美術工芸大学工芸学部建築学科助教、デザイナー。「おいしい料理を創るように、家を作ろう」

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