ほんのりとした苦みのある菜の花。この時期ならではの春を感じる食材を、食卓に登場させませんか。フレンチ、イタリアン、中国料理のシェフに、アイデアを生かした料理を教えてもらいました。
菜の花と鱈のエチュベ 蜜柑のソース
蒸し煮で緑が鮮やか フレッシュな香りも楽しんで
「エチュベとは、食材の持つ水分を生かした蒸し煮のような調理法です」と話す安平次さん。ゆで過ぎると退色しやすい菜の花の色みも、蒸し煮だと、きれいに仕上がるそう。
「菜の花のほろ苦さには酸味が合うと思い、ミカンを加えました。爽やかな甘みもプラスされています」
軸や葉を使った〝菜の花オイル〟は少し辛味があり、フレッシュな香りが楽しめます。余ったオイルは3日間ほど保存可能。
材料(2人分)
- 菜の花…6本
- タラ(切り身)…2切れ
- ミカン(皮をむいて房ごとにばらす。薄皮や筋はそのままでOK)…1個分
- 塩昆布…6g
- 白ワイン…10cc
- 水…80cc
- オリーブオイル…10cc
- 塩、こしょう…各適量
- ①菜の花は茎や葉を少し取り、食べやすくしておく ※取り除いた部分で〝菜の花オイル〟を作る
- ②タラは軽く塩をふり、10分ほど置いて常温に戻す
- ③小鍋に❶とミカン、塩昆布、白ワイン、水を入れる
- ④水気をとった❷を❸の菜の花の上に置いてふたをし、弱火で蒸す
- ⑤タラに火が通ったら火を止める。タラと菜の花だけを取り出し、皿に盛る
- ⑥小鍋を再び弱火にかける。オリーブオイルを加え、ミカンをつぶしながら軽くとろみがつくまで煮詰める。塩、こしょうで味を調える
- ⑦❺に、❻の汁の部分と〝菜の花オイル〟をかける
- 〈菜の花オイルの作り方〉
- ①で取り除いた菜の花の茎・葉と、同量(g数)のオリーブオイルをミキサーにかける。
これをクッキングペーパーなどでこす
【教えてくれたのは】
- anpeiji(アンペイジ)(伏見区中島樋ノ上町56)
- 安平次(あんぺいじ)真史さん
春の香りの春巻き
めんたいこ、ホタルイカを使ったサクサクの春巻き
具材にはすでに火が通っているため、揚げ時間は短めでOK。サクッと軽やかな食感で、おつまみにもぴったりです。
「春巻きの皮は小麦粉からできているので、同じ素材のパスタに合うめんたいこ、ホタルイカといった具材は、春巻きにも合うと思いますよ」と鈴木さん。
「サワラなどの白身魚も菜の花と相性がいいです。マヨネーズでどうぞ」
春巻きは揚げる前の状態で、冷凍保存しておくと便利です。
材料(各1本分)
■明太子の春巻き
- 菜の花…約3本
- めんたいこ…10g
- さんしょうオイル(なければごま油)…少々
- 春巻きの皮…1枚
■ホタルイカの春巻き
- 菜の花…約3本
- ホタルイカ(ボイル)…3匹
- 酢みそ…小さじ1
- さんしょうオイル(なければごま油)…少々
- 春巻きの皮…1枚
- ①鍋で熱湯1リットルを沸かし、塩ひとつまみ、サラダ油小さじ1(いずれも分量外)を加える。菜の花をさっとゆがいて冷水にとり、水気を固くしぼる
- ②ざく切りにし、さんしょうオイルを混ぜる
- ③めんたいこの皮を除き、ほぐす
- ④ホタルイカの目玉を除き、酢みそであえる
- ⑤春巻きの皮を手前に角がくるよう広げ、半分より下の辺りに長方形に❷を置き、その上に❸を乗せ、折りたたむように包む。水溶き小麦粉(分量外)で巻き終わりを留める。❹も同様にする
- ⑥約160℃に熱した油(分量外)できつね色になるまで揚げる。カットして皿に盛る
【教えてくれたのは】
- 中国料理 秋華(あきはな)
(左京区一乗寺樋ノ口町27 コーポラス禅1階東)
- 鈴木智秋さん