防災の話となると、どうしても大人の話題になりがち。「子どもには教えていない。どのように話したらいいのか分からない」という読者の声も。そこで、坂本真理さんの長男で、防災士の坂本紫音さん(16歳)に「子どもの防災」について話を聞きました。
「共働きの親が増える中、子どもだけの状況で地震や災害が起こることは十分考えられます。被災するのは、子どもも大人と同じ。だから、〝防災は大人が考えるもの〟という意識は、大きな間違いです。ぜひ、子どもも交えて話をしてください。
子どもは大人のように、何歳だからこれができる、とひとくくりにできない分、マニュアル通りにはいかないし、そもそもマニュアルを作ることも難しい。だから、子どもの特性を把握している親が、『わが子にできること』を話しておかないといけない部分も。例えば料理が得意な子なら、被災を想定した状況で、どうやったら料理を作れるか、どんな料理が作れるかを考えさせるのも一つです。子どもも『自分の命は自分で守る』という防災意識を持たないといけないと思います」
「子どもはやっぱり大人に比べてメンタルが弱いので、非常時でも〝日常〟を感じられることが大切。お気に入りのおもちゃやゲーム、タオルなど、普段使っているお気に入りのアイテムがあることで、落ち着くことができます。子どもが落ち着くことで、親も落ち着けるでしょ?」
「僕が、防災に関心を持った大きなきっかけは、東日本大震災です。津波というものは知っていたけれど、テレビで実際の津波を見ると、思っていた津波とは全然違った。これはやばいと危機感を持ちました。
子どもに防災意識を持たせるために、防災センターで震度7などの体験をさせるのはいいことだと思います。無理やりやらせても意味はありませんが、防災と触れ合う機会を持たせることは大事です。そして、その機会を作るのは、大人の義務かな、と思います」
小学6年生で防災士資格を取得。当時、関西最年少で話題に。現在、関西大学高等部1年生。母親の真理さんと一緒に、親子防災などの講演も
京都市では、「我が家の防災行動シール」を配布しています。これは、大規模な自然災害が起きたとき、また起きそうなときに〝命を守る〟ために、何をすればいいかを、日ごろから家族で話し合って共有しておくためのもの。冷蔵庫や玄関など、目のつくところに貼っておきましょうと呼びかけています。問い合わせは、京都市消防局予防部市民安全課へ。
TEL:075(212)6692。
みんなの防災意識は?
リビングWebで実施した「防災・ハザードマップアンケート」(※)。切迫した危機感はなくとも、意識はしている様子が見えてきました。
※2019年11月28日~12月4日実施。有効回答数98
まず、住んでいるエリアのハザードマップを確認しているかを聞いたところ、「確認している」が64・3%と半数以上に。しかし「自分の職場」「子供の学校」について聞くと、対象者のうち「確認している」と回答したのはそれぞれ39・3%、40・4%。さらに「家族の職場」は18・1%と寂しい結果に。災害時、家族の安否は気になるものだけに、念のため確認しておきたいですね。
また、「ハザードマップの見方を知っているか」という問いには、「よく知っている」22・4%、「なんとなく知っている」48・0%と、計70 ・4%が〝知っている〟と回答。一方で「見方がイマイチ分からない」という声も。
「ハザードマップは、その土地(地域)がどんな危険要素・リスクを持っているかを記したもの。見て、知っておくだけでOKです」と1面の坂本真理さん。〝なんとなく〟でも見ておくことが重要なんですね。
読者に聞きました