カボチャは、その栄養価の高さにも魅力が。
鮮やかな果肉の色は、豊富なβ(ベータ)カロテンによるもの。体内でビタミンAに変わり粘膜や皮膚の抵抗力を高めるため、風邪などの病気予防になるそう。また、疲労回復効果のあるビタミンB1、皮膚や爪などに機能するビタミンB2、そのほかビタミンC、ビタミンEといった各種ビタミンもバランスよく含まれています。食物繊維がある皮には、腸内環境を整える働きも。
捨ててしまうことの多い種やワタも栄養たっぷり。種に多いのは、タンパク質やカルシウム、ビタミンB群、鉄分。ドイツではペポカボチャの種子が利尿作用のある生薬として認可されているとか。また、ワタには果肉以上にβカロテンや食物繊維が含まれており、骨を丈夫にするビタミンKも豊富だそう。
これらの栄養を余すことなく活用してみませんか。家でも簡単にできる、栄養価の高い料理を、野菜ソムリエでもある「旬菜ダイニング 十祇家」のオーナーシェフ・松崎隆明さんに教えてもらいました。
- パンプキンシードと
ミックスナッツのキャラメルヌガー
- 「スーパーフードとも呼ばれる種。硬いので、キャラメルにすることで子どもも食べやすいおやつに」
- ①カボチャの種(80g)をワタから取り除き、水気を切っておく
- ②アーモンドまたは好みのナッツ(40g)と❶の種を、トースターかフライパンで焦げないように乾いりする
- ③火が通ったら❷を細かく砕く。種は表皮が硬いので、砕けなければ包丁で半分くらいに切る
- ④鍋に水(120g)、砂糖(120g)を入れて沸かす。沸騰してキャラメル色になり始めたら濃い口しょうゆ(少々)と❸を入れる
- ⑤手早く全体を混ぜ合わせ、ベーキングシートの上に薄くのばす
- ⑥粗熱がとれたら金づちなどで割って食べやすい大きさに
※細かく砕いて、溶かしたチョコレートやアイスクリームに入れてもOK
※途中でキャラメルが固まった場合は、鍋に入れ直し火をかけて混ぜる。キャラメルは高温なので注意して
- カボチャのワタチヂミ
- 「栄養価の高いワタ本来の形や色を生かした料理。ワタに苦みがあるので酢じょうゆをつけだれにして」
- ①ニラ(1束)は5cm、カボチャのワタ(約100g・1玉分)は3cmくらいの塊にしてカット
- ②ボールに薄力粉(120g)、片栗粉(60g)、上新粉またはもち粉(20g)、塩(少々)、チキンパウダー(少々)を入れて混ぜる
- ③❷に水(110g)、ごま油(40g)を加えてだまにならないように混ぜる。その後、❶のニラも混ぜる
- ④フライパンを温めてごま油(少々)を入れ、❸を流し入れて焼く。生地に穴が開いてきたら、❶のワタを生地の上にのせてひっくり返してしっかりと焼く
※ふっくらと仕上げたい場合は、❷の薄力粉をフライパンに入れて、焦げないように強火で1分乾いりして冷ましてから使用する
※❸でニラを入れる前に3時間常温で放置すると歯切れの良い生地に
- カボチャのスープ
- 「糖質を多く含む果肉と食物繊維豊富な皮を、タマネギや豆乳と合わせて栄養たっぷりのスープに」
- ①カボチャ(1/2または3/4)のワタと種を取り、果肉と皮を切り分ける
- ②皮を1cm角のさいの目にして、レンジで軟らかくした後、火にかけておく。果肉は5cmにカット
- ③鍋にバターまたはマーガリン(30g)を入れて火にかけ、溶けたら薄切りにしたタマネギ(1玉)を入れる。しんなりと甘く香るまで炒める(蒸し焼きでも可)
- ④❸に水(400g)、コンソメ(5g)、❷の果肉、砂糖(20g)を入れる。果肉に竹串が刺さるぐらい火が通ったら、全て鍋から出してミキサーにかける。裏ごしをして再び鍋に戻す
- ⑤❹に調整豆乳(400g)、生クリーム(100g)、❷の皮を入れて火にかける
- ⑥塩(少々)を入れて味を調節
※黒こしょう(少々)をふり、ご飯にかけるアレンジも
- 旬菜ダイニング 十祇家
オーナーシェフ 松崎隆明さん