「なんだか肌がかゆい」。時期を問わず、私たちを悩ませる〝かゆみ〟ですが、このかゆみの大敵は乾燥。そう、乾燥がひどくなると、かゆみも激しくなるんです。「まだ暑いし」なんて油断せず、秋冬に向けて早めの対策をしておきましょう。
まずは、これからの時期に考えられるかゆみの原因について、洛和会音羽病院皮膚科の医師・清水平ちひろさんに聞きました。
昨年の寒い時期のことをちょっと思い出してください。「皮膚が粉をふいたように白くなった」「肌が乾燥してカサカサしたり、ひび割れをした」。そして、「何よりカユイ!」ということはありませんでしたか。
「秋から冬にかけてこんな症状が出ていれば、それは『皮脂欠乏症』かもしれません」と清水平さんは言います。
これは「乾皮症」とも呼ばれる症状で、皮膚の表面の脂が減少することにより水分量が減って、乾燥が生じるというもの。皮膚が乾燥し、角質がはがれてかゆみが出てくるのが最初の段階。症状が進むと、カメの甲羅のように皮膚がひび割れ、少し赤く、かゆみも強くなってくるそう。さらにひどくなると、皮脂欠乏性湿疹に。ここまでくると、夜中に目が覚めるほどかゆみが激しくなると清水平さん。症状は、ひざ下(すね)や太もも、腰回り、わき腹によく現れるとか。
「皮膚の水分を保つために必要なのは、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質。皮脂欠乏症になると、これらが減少し、乾燥しやすくなるんです」
では、「皮脂欠乏症」になった場合は、どのように対処すればいいのでしょうか。予防法と併せて、次のページで紹介するのでチェックしてみて。
とはいえ、気を付けたいのは秋から冬にかけてのかゆみが、すべて「皮脂欠乏症」が原因とは限らないということ。清水平さんによると、〝花粉症〟の可能性もあるのだとか。
花粉症というと春のイメージがありますが、最近は秋の花粉症も話題になっていますよね。知られているのはキク科のブタクサ。私たちが暮らしている市街地にも生息しているので、知らず知らず花粉にさらされているかもしれません。
「目のかゆみ以外にも、首や顔のかゆみなどもブタクサで起こることがあります」と清水平さん。気になったら、一度病院で診てもらいましょう。