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食品ロス、CO2削減、プラスチックごみ削減の効果とは?

「環境にいいことをしよう!」。よく耳にする言葉ですが、そもそも〝環境にいいこと〟とは具体的にどのようなことなのでしょうか? 今回取り上げるのは、「食品ロス削減」「CO2削減」「プラごみ削減」の三つ。実際の取り組み例とともに掘り下げてみました。

「食品ロスと関係が深いのが水資源。野菜の栽培や家畜の飼育などに、水は欠かせません。食品ロスを減らせば、水資源を守ることもできるのです。また、食品をごみとして輸送・処理するときに排出されるCO2も減らせます。普段から食品の使い切り、食べ切りを心がけるといいですね」(京エコロジーセンター・竹内さん)

余った食品を、捨てずに必要としている人の元へ

「ふれあいまつり」での様子。「セカンドハーベスト京都」では、京都府内各地でフードドライブを実施しています

作りすぎてしまった料理。「もったいない」と思いつつ、食べ切れなくて残してしまうということもありますね。

食べ残しや売れ残り、期限切れが原因となる〝食品ロス〟。まだ食べられるのに廃棄される食品を指します。

2016年度の環境省の推計によると、日本では1年で約643万トンの食品ロスが発生したそう。京エコロジーセンター職員の竹内真道さんは、「もったいないだけではなく、残った食品を廃棄することで環境に大きな負荷がかかるのが問題です」と言います。

食品ロス削減の取り組みとして注目されるのが、未利用の食品を集め、福祉団体などを通して必要な人に届ける〝フードバンク〟。6月、精華町の「ふれあいまつり」では、フードバンク団体「セカンドハーベスト京都」が〝フードドライブ〟の活動をしていました。

フードドライブとは家庭で余った食品を持ってきてもらい、集荷をすること。ブースには次々と人が訪れ、米やお菓子などを寄贈していきます。

そうめんを持参した女性からは、「子どもの貧困や食品ロスに関するニュースが気になっていたんです」との声も。

スタッフの石坪高志さんは「日本ではまだフードバンクの認知度は低め」と話します。「関心を持つ人が増えれば、社会全体の意識も高まると思います」

ダイコンの皮と昆布できんぴらを作る吉井さん

食品ロスを減らすために、家庭でできることとは? 京都市の「食べ残しゼロ推進店舗」に認定されている和食店「酒菜 石慶(さかな せっけい)」(上京区)の店主・吉井宏行さんに聞きました。

「食材の使い切りが大事。店では、ダイコンの皮やだしをとった後の昆布を千切りにしてきんぴらを作り、コース料理の先付けや定食の小鉢として出すこともあります。家庭で肉じゃがやカレーを作るときには、ジャガイモを丸ごとゆでてから皮をむくと、生ごみの量を減らせますよ」

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