最近、全国各地で市民ぐるみの映画製作が行われ、注目されているよう。京都でも、〝映画〟をキーワードに地域が盛り上がっています。新たな作品や上映イベントなど、さまざまな動きを探ってみました。
嵐電の駅や沿線の地域を舞台に、3組の男女が繰り広げる恋の物語―。
京都造形芸術大学映画学科では、学生とプロが共同で映画を作るプロジェクト「北白川派」に取り組んでいます。その第6弾として製作されたのが、俳優・井浦新さん主演の映画「嵐電」です。
監督は同学科准教授の鈴木卓爾さん。「製作会社のプロデューサーに、嵐電をモチーフにした映画を撮らないかと声を掛けられたのがきっかけでした」
製作に参加した学生は1年生から4年生まで50人以上! 安井希歩乃(きほの)さんは、現場の実務を担当。京都育ちの大森円華(まどか)さんは、録音のほか〝地元の人の視点〟で意見を出すなど、シナリオ作りや演出に協力したそうです。
「街並みの中、線路を走ったり、車と並んで路面を走ったりしながら進む嵐電は、見る者を飽きさせないユニークな電車。京都の人には、自分が住む町の美しさを再確認してほしいです。全国の人にも、嵐電の存在を知ってもらえれば」(鈴木さん)
映画「嵐電」は6月21日(金)まで「京都シネマ」(下京区水銀屋町620 COCON烏丸3階)で、6月22日(土)からは「出町座」(上京区三芳町133)で上映予定。なじみある風景や学生たちの演技などに注目してみて。
「京都映画祭」を引き継ぎ、2014年に「映画もアートもその他もぜんぶ」という新たなテーマを掲げてスタートした「京都国際映画祭」。主催は京都国際映画祭実行委員会ですが、京都市もさまざまな形で支援・協力しています。
「昨年の同映画祭アート部門では、市も協力して公園や図書館などにアート作品を展示。各所にアート作品があることで、町ぐるみで映画祭を楽しみ、盛り上げる雰囲気づくりにつながっています」と、京都市文化芸術企画課の永原卓郎さん。
「京都に縁がある芸人による『京都市盛り上げ隊』もPR活動で大いに活躍してくれました。今年も秋に開催予定の映画祭を、ぜひ楽しみにしてほしいですね」