大人が〝学ぶ〟ということは?


読者がどんな学びをしているのか、聞いてみました

いま〝学び〟を進行中!という読者にインタビュー。自分の興味を追求するため、仕事に生かすため。目的はさまざまですが、楽しく、熱心に取り組んでいます。

「好きなことだから、始めたくなりました」
~神社検定3級取得を目指して~

長野善隆さん(53歳)

撮影場所は御香宮神社(伏見区)。「〝宮〟という社号は、天皇や皇族をおまつりしている神社に用いられます。御香宮神社の主祭神は神功皇后なので、〝宮〟がつくのでしょうね」と長野さん。参拝したときにこういった知識があると、神社の見方も深まりそう!

「神社検定3級の試験に向けて勉強中です」

読者アンケート「今、何か〝学び〟をしていますか」に、そう回答してくれたのは、長野善隆さんです。

長野さんが神社検定の試験を受けようと思ったのは、今年の正月に愛宕山を登ったことがきっかけでした。

「頂上の休憩場にはってあった告知ポスターが目に入ったんです。そんな検定があるなら受けてみようかなと」

住んでいた地域に神社仏閣が多かったことからなじみがあったうえ、趣味の登山で山岳信仰にも興味を持っていたという長野さん。実際に勉強を始めてみてどうですか。

「知っているようで知らないことが、意外とあるんだなと思いました。ご祭神とご神体の違いとか。ご祭神は〝神様〟で、ご神体は〝神様が宿るもの〟なんですが、こういうことを知っていると、ますます神社に親しみがわきますよね。実は、学生時代は勉強が好きではなかったんです。でも自分が興味のあることなら頭に入りやすいし、知識が増えることに喜びを感じます」

平日は仕事をしているため、勉強デーは週に一度。検定試験は、6月16日(日)に行われます。





「『今だ!』と思ったときが学びのタイミング」
~中国語の勉強が就職につながりました~

木村莉莉さん(36歳)

「勉強と仕事を両立することで生活にめりはりができました」と木村さん。「新しい職場では、外国人旅行者に『また京都に来たい』と思ってもらえるよう語学を生かして頑張ります」

昨年から中国語を勉強しているというのは、木村莉莉さんです。

「中学生のときに台湾に留学に行ったことで基本的な中国語は身に付けたんですが、その当時は勉強を続けようとは思いませんでした」

では、もう一度勉強しようと思った理由とは?

「インバウンドに関わる仕事をしていたこともあり、外国人観光客の増加を感じたからです。街でも外国人に声をかけられることも多かったですし。中国語で話しかけられても積極的に受け答えはできなかったんですが」

中国語の基礎ができているのにと、歯がゆい気持ちから一念発起。昨年10月から語学教室で中国語を学び始めました。

「やるなら語学を一生の仕事につなげたいという気持ちもありました」

勉強を続けて約半年。勘を取り戻せたところで、中国語を武器に新たな仕事探しをしたところ見事、採用! 4月からは新しい職場で働くそう。

「中国語の勉強をやめたとき、周りから『もったいない』と言われたんです。でもそのときはそのタイミングではなかった。大人になって、自分が『今だ!』と思うときがくれば、それが何歳であっても、そこから始めればいいんだと思います」

今後は、英語の勉強も始める予定なのだとか。

ほかにも、こんな学びが進行中です!

タイ語を学んで元同僚たちと交流しています(KS/38歳)
以前、仕事でタイに住んでいたので必要に迫られて勉強をしていました。帰国してからタイ語を使う機会はほとんどありませんが、今も勉強は継続しています。何が書いてあるか分かるようになると、この年齢でも成長できるんだとうれしくなります。元同僚たちと会員制交流サイト(SNS)でやり取りをするのもスムーズになり、みんなの近況を知ることができるのも勉強のおかげ。今、タイでは日本がブームなんですって。北海道ではこんなアイスクリームがはやっているんだよってタイ人に教えてもらうこともあるんですよ。
健康のために栄養学を独学で(KC/46歳)
短大で学んでいた栄養学を独学で勉強し直しています。年を重ねるごとに健康と食事が密接に関わっていると思うようになったので、自分と家族の健康のために栄養学を身に付けることは大切だと感じています。専門書を読むほか、日々、テレビや雑誌などからも情報収集をしています。
看護師免許取得後も研修に参加(HN/53歳)
45歳で看護師免許を取得しました。信頼される看護師を目指し、学びを深めるために現在も研修に参加しています。人間性も高められたらと思っています。
未経験で歯科助手に。ただいま勉強中(IM/49歳)
仕事を探していたときに、たまたま見つけた歯科助手の求人。経験はなくても良いとのことだったのですが、やはり働いていく上で勉強は必要だなと痛感。テキストを購入して、ただいま勉強中です!

京都府は大学と連携し、働きたい女性の“学び直しをサポート!

リカレントプログラム基礎講座

キャリアアップや就職のために学んでいる―。そんな読者の声もありましたが、そういった女性を応援しようと「大学連携京都府リカレントプログラム」が行われています。

2018年度は、京都府と京都女子大学が連携して実施(オムロン エキスパートリンク株式会社が受託・運営)。対象は、結婚や子育てなどで離職したけれど再就職を考えている、社会の変化に対応したキャリアアップを目指しているといった女性です。

「ブランクがあるからいきなり仕事を始めるのはという方など再就職を目指す40歳代の方の受講も多かったです。このプログラムに参加することで、希望の仕事に就くための準備をしていただけたら」と京都府男女共同参画課 副課長・広瀬久美子さん。

同課 担当課長・西村美紀さんは、「仕事上で求められる課題は何かを考えながら勉強できます」と話します。ビジネス英語やパソコン基礎・実践を学ぶ機会も用意されていたのだそう。参加者からは「学ぶ楽しさを味わえました」との声もあったそうですよ。今年も、大学と連携し、ブランクのある女性の支援を準備中とのことです。

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