揺れたとき、動くことができなかった人、とっさに机の下に隠れた人、2階に逃げる人と読者の対応はさまざまでした。
前出の田中さんは、「落下物から身を守ることは大切ですが、大きな揺れの際、机の下に隠れるという避難法は阪神・淡路大震災以降、見直されつつあります。建物倒壊の危険性が高いためです。クッションなどで頭を守って外に逃げた方が良いといわれています。ですので、MHさんのように外への逃げ道を確保することは重要です」
ただ、「立地や家の中の状況によって危険度は異なるので、冷静に判断してください」(田中さん)。
「水道水は塩素処理がされているので、浴槽に溜めた水であっても季節によっては1週間ほどは清潔さを保てます。飲み水としての使用はあまりおすすめできませんが」と田中さん。
では、飲み水を確保するにはどうすればいいのでしょうか。
「きれいに洗ったペットボトルに、飲み口ぎりぎりまで水を入れてください。空気が入らないようにすることで、空気の酸化による劣化が防げます。こうすると、冷蔵庫や涼しくて暗い場所であれば、1カ月ほど保存可能。その期間が過ぎたら、新しく入れ替えて」
水道が復旧した後の対策についても教えてもらいました。
「復旧直後は、濁った水が出ることもあります。そんなときのために、空のペットボトルを非常時用の〝ろ過装置〟として利用する方法があります」
まずは底を切り落とし、キャップを外して上下をさかさまに。中に網の目が細かいガーゼやスポンジをボトルの半分くらいまで詰めれば完成。水は上からゆっくりと流しましょう。
「防水テープで、ある程度は雨の浸入を防げます。また、バスタオルやシーツなど大きめの布でも対応できますね。雨で濡れた室内を拭いた後、そのまま使うといいでしょう」
浸水が止まらないほどの豪雨の場合は要注意。
「平成30年7月豪雨で甚大な被害を受けたのが岡山県倉敷市真備町。屋内の浸水によって多くの犠牲者が出ました。状況をみて、2階や外への避難を考えてください」
扉の外に水が30〜40cm以上たまると水圧で扉が開かなくなるということなので、その点にも注意が必要です。
防災は備えが大切です。いつ災害が起きても冷静な判断、行動ができるように、体験したことを今後の防災に生かしていきたいですね。