髪はおしゃれのポイントの一つ。年齢を重ねるにつれて白髪が増えたり、薄くなったりと変化しますが、その時々、自分に合うスタイルに挑戦するのもステキですね。今回は、白髪を〝受け入れる〟、薄毛に〝プラスする〟という二つのキーワードで、髪のおしゃれを提案します。
最近、白髪を染めず、自然な色を生かした〝グレーヘア〟が注目を集めています。グレーヘアを楽しむ方法を知っておくとありのままの髪色を受け入れやすくなりそうですね。髪とファッション、それぞれの専門家にアドバイスをもらいました。
ショートカットのグレーヘアが似合う中村多鶴子さんと、八木登美さん。ピアスやイヤリングも似合う、2人のおしゃれさんのグレーヘアライフとは。
中村多鶴子(たづこ)さん(66歳)
「退職を機に、次第に自然体の自分の容姿でいいんだと思えるようになり、昨年の秋、染めるのをやめました。白髪と染めた髪との境目が目立つ移行期には、いろいろな帽子をかぶって乗り切りました」と中村さん。今も、ベレー帽など50個ほどある帽子を気分やファッションに合わせて取り入れているそう。
八木登美さん(73歳)
「グレーヘアにしてから、黄、赤、ピンクなどの服やスカーフが似合うようになり、おしゃれの幅が広がっています」 ふんわりとパーマをあてたグレーヘアは、八木さんの柔らかく上品な雰囲気にぴったり。鮮やかな山吹色のトップスも、グレーヘアを引き立たせていますね。
グレーヘアのケア方法を教えてくれたのは、美容室を営む「パンセプリュス」代表の下村珠世さん。
「白髪は、髪の主成分であるケラチンというタンパク質を黒髪よりも多く含んでいるといわれています。ケラチンには水をはじく性質があるため、白髪は乾燥してぱさつきやすい。白髪が出てくる年齢になると、若いころより頭皮からの油分の分泌が減ってくることも、乾燥を招く要因です」
さらに、髪に色がないことで光を乱反射。そのため、ツヤがなく見えてしまいがちなのだとか。
乾燥を防いでツヤを出すためには、十分に保湿し、油分を補うことが欠かせないと言います。
「毎朝、保湿成分と油分を含むヘアケア剤を髪全体になじませましょう。ヘアミルク、ヘアクリーム、洗い流さないタイプのオイルトリートメントなど、好みに応じて選んでかまいません。ただし、グレーヘアには『さらさら』より『しっとり』タイプがおすすめ。少し多いと感じるくらいの分量を付けると、時間がたつにつれ乾いて、昼ごろにはちょうどよくなります。夜のシャンプー後にも、トリートメントなどで保湿とダメージケアをしてくださいね」
グレーヘアの色をきれいに保つアイデアも。
「白髪が黄色がかったシャンパンゴールドっぽい色になる人もいますが、黄みを抑えたい場合は、アッシュ系のカラーリンスを使うと、青みがかったきれいなグレーヘアになります」
カラーリンスは使い続けると白髪が染まってしまうので、数日から1週間ほど使ってみて、ちょうどいい色合いになったところで止めればOKとのこと。色が落ちてきたら再使用を。
「パンセプリュス」代表、
美容室「ラ・プース」「オルジュ」美容師
下村珠世さん