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家族そろって食事をすること

家族みんなでの食事。当たり前に行っていて、その理由は特に意識したことがないかもしれませんね。ですが、そんな無意識な行動の中にも、さまざまな意味が隠れています。1面では、読者の食卓を紹介。家族との食事にまつわる考えを聞いてみました。

親を見て、子どもが初めての味に挑戦

卓麻さん(左奥)が作ったたこ焼きを、晶子さん(右奥)が絢大くん(手前左)に取り分けます。裕大くん(手前右)は待ちきれず、先にご飯を一口

鈴木さん家族を訪ねたのは、日曜日の昼食時。「今日は子どもたちの好きなたこ焼きです」と、鈴木晶子さん(38歳)。

夫の卓麻さん(40歳)がたこ焼きをひっくり返す様子を見て、4歳の長男・絢大(じゅんた)くんも「やってみる!」。2歳の次男・裕大(ゆうた)くんも興味津々ですが、晶子さんから「もう少し大きくなってからね」とストップがかかります。

「家族そろって食事をすると、リラックスできます」と、卓麻さん。

晶子さんは、「子どもにとって未経験の物も、私たちが『おいしい』と言って食べていると、だんだん気になってくるみたい。『僕も食べてみたい』と、新たな味にチャレンジしてくれます。家族そろっての食事が、子どもの成長につながっているのだと感じます」。

親の姿を見て、初めて食べる物に挑戦していっているのですね。

夫婦の雰囲気が似てきたかも

「長年食べ慣れた味です」と話す、邦彦さん(右)と登美子さん。取材日の昼食は、豆ご飯、みそ汁、コロッケ、煮物といった献立でした

結婚43年目の小阪邦彦さん(74歳)と妻の登美子さん(70歳)。食事は毎食、一緒に食べています。

朝は邦彦さん、昼と夜は登美子さんがご飯を用意。「朝食はパンとコーヒーなど、簡単なものですが。役割分担は大事だと思います」(邦彦さん)

知り合いからは、雰囲気が似ていると言われるという2人。

「自分たちではよく分かりませんが…。話し方などでしょうか。これも、40年以上食事をともにしてきて、お互いの姿を見ていたり、日常会話をしてきたからかもしれませんね」(邦彦さん)

息子と娘は独立して家庭を持っているそう。

「2人とも一緒にご飯を食べる人ができ、新たな家族をつくりました。一緒に食べる食事が、家族を築いているのだと思います」(登美子さん)

小阪さん夫婦のように、いずれは子どもたちも夫婦で雰囲気が似てくるのかも。

食べている姿を目にすると安心します

「食卓はくつろぎの場。食べながらだと、親子の会話も広がります」ときよみさん(左)

「家族が集まる夕食は、鍋や鉄板焼きなどが多いです。同じ物をともに食べると、家族の一体感が強まる気がします」と、井上きよみさん(48歳)。きよみさんと夫、高校2年生の息子の家族3人がそろう土日の夕食時は、家族のつながりが深まる時間だといいます。

この日のメニューは鉄板焼きということで、テーブルには肉や野菜、厚揚げ、ハンバーグなどがたくさん。

「ハンバーグは高野豆腐入りだから、カルシウムもたっぷり」「お父さんがすりおろしたんだよね」「味は普通のハンバーグと同じだから、気がつかなかった」と話が弾みます。

一体感に加え、きよみさんが感じているというのが安心感。

「息子が家で食事をする姿を見ると、安心しますね。きちんと食べているのが分かるし、普段の学校での生活も教えてくれるので」と、親心を話していました。

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