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どうにかしたい、健康寿命

健康寿命を延ばすため、2大ポイントを見直しましょう

1面で紹介したように、生活習慣病を防いで健康寿命を延ばすには生活習慣の改善が不可欠。
2本柱である「食」と「運動」について、各分野の専門家にアドバイスをもらいました。

食

酸味、辛味、甘味を取り入れて〝減塩〟を

教えてくれたのは…

先生

京都府栄養士会 副会長 石伏穣さん

高血圧や動脈硬化の予防のために、まず取り組みたいのが〝減塩〟。京都府民の食塩の平均摂取量は9.9グラム(2016年度)。京都府は、2023年までに8グラムにする目標を立てています。

京都府栄養士会副会長の石伏(いしぶし)穣さんは、「減塩のコツは、酸味、辛味、甘味をうまく取り入れること。酢やレモン、ショウガ、トウガラシ、ハチミツなどで風味をつけると、塩分控えめでもおいしく食べられますよ」と話します。

「ただ、気をつけたいのが汁物。例えばカップ麺は、1杯で5グラム以上の塩分を含みます。カップ麺やラーメンを毎日のように食べる人は、週1回にするなど頻度を減らしましょう。血圧が気になる人は、みそ汁は1日1回にして量も半分に」

健康寿命を延ばすためには、野菜を取ることも大切ですね。京都府の掲げる目標摂取量は350グラムですが、京都府民の平均摂取量は281.6グラムというのが現状だとか。

「野菜や果物に含まれるカリウムには、体内からナトリウムを排出する働きがあるので、減塩のためにもたっぷり取りましょう」と石伏さん。

ダイエットのために炭水化物やタンパク質を控える人もいますが、石伏さんは、こう注意を促します。「偏った食生活は、将来、低栄養や骨粗しょう症になるリスクを高めます。食べすぎは禁物ですが、炭水化物やタンパク質も、毎食取るのが基本。特に、良質なタンパク質とカルシウムが豊富に含まれる大豆製品は、骨粗しょう症予防のためにも積極的に取りたい食品です」

野菜を手軽に取る方法

運動

無理のない目標を設定し、〝ロコモ対策〟

教えてくれたのは…

先生

京都市健康増進センター「ヘルスピア21」健康運動指導士 松森賢司さん

「運動不足は、筋力や骨密度の低下、肥満などを引き起こし、ロコモや生活習慣病の原因になります」とは、京都市健康増進センター「ヘルスピア21」の健康運動指導士・松森賢司さん。

「運動習慣を定着させるコツは、1日に8000歩歩く、2カ月で2キロ体重を落とすなど、具体的で無理のない目標を設定すること。段階的に目標を上げていくのが挫折を防ぐコツですよ」

忙しくて運動する時間をつくれない人は、日常生活の中で活動量を増やす工夫をするといいそうです。

「通勤時に一駅前で降りて歩く、テレビのリモコンを離れた場所に置く、エレベーターを使わずに階段を使う、車で買い物に行ったときには店の入り口から遠いところに駐車するなどです。〝ながら運動〟もおすすめです」

そこで、松森さんに〝ながら運動〟にもぴったりな体操を教えてもらいました。イラストを参考に実践してみて。

ロコモ予防にぴったりの運動法

バランス運動

開眼片脚立ち
片脚で立って、バランスをキープ。バランスを崩してもすぐにつかまれるよう、机や壁の近くで行いましょう。机などに片手をついた状態で行ってもOKです
※‌左右1分間ずつ、1日3回を目標に
筋力トレーニング

しゃがみ立ち
両脚を肩幅よりやや広く開き、両手を太ももの前に置いて立ちます
両手を前に上げてバランスをとるようにして、息を吸いながら膝が90度くらいになるまでゆっくりしゃがみます。しゃがむときは、膝が爪先と同じ方向を向くようにし、膝が爪先より前に出ないようにします
息を吐いて両手を元の位置に戻しながら、ゆっくり立ち上がります
※‌1セット10~15回、1分程度の休憩を挟んで2~3セット行います。週2~3回のペースで続けましょう
立った状態でかかとをゆっくりと上げたり下げたりする「かかと上げ」も、ふくらはぎの筋力アップに効果的です。「しゃがみ立ち」と同じ回数、ペースで行いましょう

府・市・町の取り組み

独自の事業や特に力を入れている対策を中心に紹介します。

京都府
2015年から「きょうと健康長寿・未病改善センター事業」をスタート。健康データを〝見える化〟したり、糖尿病の重症化を予防する体制整備など、市町村の健康づくりをサポートしています。また、企業、大学と行政の連携による適塩生活や運動の習慣化に向けた取り組みを推進。「きょうと健康づくり実践企業認証制度」も創設しています。
京都市
「健康長寿のまち・京都市民会議」と連携し、市民の主体的な健康づくりを推進しています。代表的な取り組みが「いきいきポイント」。目標を設定して実践すると、健康ポイントをためることができるというものです。健診などの受診、食生活の改善、イベント・地域活動への参加など、幅広い活動をポイント取得の対象としていて、一定ポイントをためるとプレゼント抽選に応募できます。
宇治市
健康課題として、高血圧が関係する疾患が多い現状を踏まえ、大学・企業と連携し、〝減塩の推進〟に積極的に取り組み始めています。昨年度は、アンケート調査や「手軽で美味しい減塩食」をテーマに講演会・試食会などが実施されました。
城陽市
「健康じょうよう21」に基づき、ライフステージに応じた取り組みを進めています。生活習慣病の重症化が懸念される市民には、訪問での保健指導も。乳幼児健診では、「ヘルスメイト城陽」による手づくりおやつの提供や食育・相談なども行っています。
向日市
メタボの予防・改善を目的とした「特定健康診査」。同市では、その受診率を上げるための広報やはがきなどでの呼びかけに特に力を入れています。長年受診していない人には、訪問して受診を勧める場合もあるとのこと。
長岡京市
生活習慣病予防の取り組みとして、「ながおかきょう健康塾」を開催。血管年齢や骨密度の測定会、医師の講演会、エクササイズ付き健康セミナーなどを行っています。
大山崎町
町民主体の健康づくりの活動が盛んな大山崎町。毎年、健診結果説明会では地元住民の団体「食友会」による減塩展示やみそ汁の試飲会をしているそう。毎週1回、ウオーキングサークルも活動しています。
久御山町
町民の健康づくりの活動を促すために「くみやま健康マイレージ事業」を実施。健(検)診の受診や自分が立てた目標に取り組み、マイレージポイントをためると、抽選に応募できます。応募者は、もれなく町施設トレーニングルーム無料利用券がもらえます。

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