梅干しや梅酒、梅シロップ作りなど、〝梅仕事〟の季節がやってきました。スーパーなどでも、青梅が並び始めています。この梅の魅力を知ると、もっと生活に取り入れたくなりますよ。
京都の梅の産地といえば、城陽・青谷。青谷梅林が有名ですね。
この青谷梅林を訪ねたのは、梅の実が膨らみ始めた5月上旬。農家の皆さんが4人で待っていてくれました。
少し肌寒かった取材当日、「寒さは梅の大敵。もう少し暖かくなってほしい」とは、梅作りに約50年携わる新井源吾さん。寒い日が続くと梅は成長をやめてしまうといいます。天気や気温に影響されやすいのですね。
約20ヘクタールの面積を持つ青谷梅林。そのうちの半分を占める広さで作られているのが、「城州白(じょうしゅうはく)」という品種です。集まってくれた全員が城州白を専門に育ています。
「ここの『城州白』は、粒が大きく果肉が厚いのが特徴。実の大きさは4L(※)はあるかな。梅干しでも梅酒でも梅シロップでも、しっかりと味と香りが感じられます」(新井さん)
青谷梅林では、大きく実った「城州白」を一つ一つ手摘みをしていることも特徴。この摘果(てっか)作業が重労働! 摘み取るときに、しゃがんだり、立ったり。そして摘み取るほどに重くなり…。さらには、この時期が梅雨と重なることも大変さが増す要因。
「雨具を着て作業するのでジメジメするし、暑い(笑)。ですが、全ての梅が同時に実るので大急ぎで収穫しないといけません。この時期、休日はあきらめています」
これらの苦労をしてでも長年にわたり、この仕事を続けられるのは…。
梅農家の1人・畑中恭伸さんに尋ねると、「梅の木は、手入れが良ければ10年目から実がなって、そのまま50年、収穫できます。天気による影響が大きいとはいえ、手を掛けただけ品質の良い梅が収穫できるし、長く付き合っていけるのが魅力です」。
梅の収穫が本格化する梅雨はもうすぐ。なかなか出回らないという「城州白」ですが、もし店頭で見かけたら手に取ってみませんか。
※4L=4.5〜4.9cm未満
城陽市役所 農政課
安達正寛さん