愛と家事
太田明日香 創元社・1080円
そこに愛があったとしても、どう行動するかは自分次第
「家族をつくることに失敗した」。衝撃的な一文から始まる本書。自身の経験した離婚、再婚、家族との関係について、一つひとつ振り返り、向き合いながらつづる。
愛とは、家族をつくるとは一体なんだろう。「わたしはもっと愛と家事を切り離したい」ということばが読後いつまでも心に残る。極めて個人的なことであるはずの愛。しかしその愛を前提として法律や制度が組まれ、愛を下敷きとした犠牲が当たり前のように他人に押し付けられたりもする。愛があればなんでもできるのかもしれないけれど、何をするのか決めるのは自分だ。自分の足で生きること、愛するひとと暮らすことを改めてじっくり考えられる一冊。
【紹介者】
マヤルカ古書店 なかむらあきこさん
マヤルカ古書店 なかむらあきこさん
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