教えてくれた人
家庭から排出されるゴミを減らすこともエシカル。焼却にはエネルギーが消費され、環境負荷の原因にもなるからです。
京都市環境政策局 循環型社会推進部 ごみ減量推進課 小川健一郎さんによると、2016年の京都市のゴミの量は42万トンで、約40%が生ゴミ。そのうち約37%が、食べ残しや手つかずの食品だとか。こういった〝食品ロス〟を削減するには、一人一人の消費行動が重要と小川さん。
「買い物に行く前に冷蔵庫の中身を確認するのもおすすめ。必要なものをメモすることで、買い過ぎや二重買いといった余分な購入を防げます」
京都市では、買った食材を使い切る〝使いキリ〟、食べ残しをしない〝食べキリ〟、ゴミを出す前の〝水キリ〟という「生ごみ3キリ運動」を推進。生ゴミは8割が水分なので、水を切っておくと焼却エネルギーの効率化に結びつくそうですよ。
14年からは、食品ロスの削減に取り組む飲食店向けの「食べ残しゼロ推進店舗認定制度」をスタート。現在、市内では614店舗が認定され、増加傾向にあるそうです。
「利用する側も、自分のおなか具合に合わせて食べきれる量をオーダーするよう心がけて。ハーフサイズや小盛りのメニューを提供するお店も増えてきています」
節電や節水などを心がけたり、買い物時にエコバッグやマイボトルを持参したり。「エコ」や「ロハス」といった言葉をきっかけに、そんな行動を実践している人も多いのでは。
「それもエシカル消費です。エシカルとされる範囲はとても幅広く、家族一緒に取り組めることもたくさんあるんですよ」(田中さん)
家具が壊れたときはDIYで修理、着なくなった洋服はリメイク。パパやママの趣味や特技を生かしながら、廃棄を減らすこともできます。
「また、日本の文化や伝統技術に触れることも、それを守ることにつながります。子どもと一緒に、豆まきやひな祭りなどの行事、カルタやけん玉といった昔ながらの遊びを楽しむのもいいですね」
視野を広げれば、わが家ならではの、自分なりのエシカルな取り組みが見つかりそう。
会社の宴会で幹事を務めたパパは、参加者に「30・10(サーティ・テン)運動」を呼びかけ。この運動は、宴会の最初の30分間と、お開き前の10分間は、席で料理を食べるという取り組みです。京都市の調査では、「30・10運動」の声かけで食べ残しが1/4に減ったそう。