体が冷えたときや、長時間同じ姿勢でいるとき。筋肉が硬くなって体が動かしづらい…、そのように〝こわばり〟を感じることもありますね。今回は原因やほぐし方、予防法を紹介。こわばりをほぐせば、体も気分も軽くなりそうです。
まずは、そもそもなぜこわばるのか、その原因を探ります。冷え、長時間の同一動作、更年期、病気と、さまざまな理由が見えてきました。
〝こわばり〟とは、筋肉が固まって動かしにくくなる状態のこと。手、足、首、肩、腰など、全身に表われる現象です。
その原因の一つが冷え。佛教大学保健医療技術学部理学療法学科・准教授の得丸敬三さんは、「冷えると血行が悪くなり、筋肉が思うように動かなくなります」と話します。
「血の巡りが滞ると老廃物もたまります。筋肉の動きを鈍くする一因ですね」
同じ姿勢を続けていてもこわばりを感じるもの。これには、体を支える筋肉と姿勢が関わりがあります。
「人は主に首、腰、足で体を支えています。姿勢を安定させるために使っているのが表層筋と深部筋。3カ所に関わるこれらの筋肉が働きすぎると、こわばりにつながります」
長時間のデスクワークは首と肩の表層筋に影響があるそう。
「猫背になりがちなのがデスクワークの落とし穴。姿勢が悪いと頭の位置が体の芯よりも前にずれ、首の後ろから肩にかけての表層筋が働きすぎることに。腰の筋肉がうまく使われず、首と肩がこわばります」
長時間立ちっぱなしだと足がこわばるのは、全身を支えるふくらはぎの〝ヒラメ筋〟に負担がかかるから。
「一方、腰では深部筋がきちんと働かないと表層筋への負担が増えるため、腰がこわばるという悪循環が起こるのです」
「更年期特有のこわばりに悩む人も多いです」とは、京都医療センター膠原病・リウマチ内科の医師・井口美季子さん。
「これには女性ホルモンの減少が関係。ホルモンバランスの急激な変化に体が対応できず、こわばりを自覚することがあります。乳がんのホルモン療法中や、病気などで卵巣をとったときにも起こる場合が。こうしたホルモンバランスによるこわばりは数秒から5分程度で良くなるケースが多く、長くても30分以内で軽くなるのが特徴です」
病気によるこわばりにも気を付けてほしいと井口さん。
「なかでも関節リウマチがよく知られていますね。はっきりとは分かっていませんが、体質や過労、ウイルス感染、ストレスなどが発症のきっかけになるといわれています」
2面では、関節リウマチなどこわばりを伴う病気について詳しく教えてもらいました。