2017年も残りわずか。もうすぐ迎える2018年は、京都の歴史や文化において、節目となる事柄が多数あります。〝○周年〟を迎える来年の話題を集めてみました。
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「1868年の明治維新は、京都の人にとっては都の地位を失うことにほかなりませんでした」とは、京都市総合企画局市長公室の帯田あゆ美さん。天皇とその周辺の公家や商人たちが東京へ移ったことで、京都の人口は34万人から23万人に激減したといいます。
「『このままでは京都が廃れてしまう』と危機感を募らせた人々が、まず取り組んだのが子どもの教育です。〝まちづくりは人づくりから〟との掛け声のもと、地域の町衆たちが子どものあるなしに関わらず、建設や運営の資金を出し合ったと聞いています。1869年には、全国に先駆けて合計64の小学校が作られました」
今でいう文部科学省にあたる文部省が設置されたのが1871年ということからも、画期的な取り組みだったことが分かりますね。福沢諭吉も視察に訪れたのだとか。
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日本で〝市制〟が施行された1889年、全国に39の市が誕生しました。このとき、京都市・大阪市・東京市(当時)には〝市制特例〟を適用。これは3都市の政治の重要性を踏まえ、国の意向が働きやすくなるための制度。ほかの市のような自治権は持たされていませんでした。
当時の様子を、京都市総合企画局市長公室・森藤(もりとう)淳さんは、「市長は府知事が兼任。市役所にあたる組織は府庁内に置かれていたようです」と説明してくれました。「ですが、先人たちが粘り強く真の自治権を求める運動を続け、1898年、ついに〝市制特例〟が撤廃されたのです。同年10月15日には市役所も開庁しました」
京都市では、毎年10月15日が「自治記念日」と定められています。