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平清盛と西行は平安時代末期の1118年に誕生。2人とも京都で鳥羽上皇の警護などを担当する〝北面の武士〟でした。
京都女子大学・名誉教授の野口実さんによると、「ドラマなどで同輩のように描かれることもありますが、同じ武士といっても清盛のほうが圧倒的に身分が高かったんです」とのこと。その清盛は、親族を高位高官に付け、平氏が政権を握る一時代を築きますが、没落が見え始めた1181年に病死しました。
一方、西行は武芸に秀で、流鏑馬(やぶさめ)の達人として名をはせていましたが、23歳で出家。その後、50年間、旅をしながら歌を詠む生涯を選んだのです。
「同時代に生きた2人が、片や政争などの俗世間の荒波にもまれ、片や風雅に生きた、全く違う人生を送ったんです」
京都にはゆかりの地が数多くあるので、巡ってみるのも面白そうですね。
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1988年には、大型ホールを持った施設が相次いでオープンしました。
1000人を収容できるメインホールを持つのが「京都府長岡京記念文化会館」。質の高い舞台芸術の企画のほか、市民文化活動の機会の確保にも力を注いできました。来年も、〝「文化のまち」長岡京づくり〟を重点方針として運営していくとのことです。
「京都府立府民ホール アルティ」は、舞台芸術専門ホールとして同年10月に開館。床と壁面が木材で作られ、音の良さが自慢。来年の主催公演は、30周年を意識した華やかなラインアップだそう。
同じく10月に開館した「京都文化博物館」は、京都の歴史と文化を分かりやすく紹介する総合的な文化施設としての役割があります。来年4~6月には、開館30周年を記念した「色彩の画家 オットー・ネーベル展」を予定。
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京都府立図書館の前身は、日本最初の公立図書館「集書院」(1873年設立)。三条東洞院付近にあった同院は約10年で閉鎖されましたが、所蔵していた書籍を譲り受けるなどして、1898年4月、京都御苑内に京都府立図書館が創設されました。
その後、京都御苑の整備に伴い、1909年に現在の左京区岡崎に移転。近代日本を代表する建築家・武田五一(ごいち)の設計によるモダンな建物へと生まれ変わりました。
「1898年当時の蔵書は約3万冊でしたが、現在は約125万冊に増えています」と話すのは同館企画総務部の福島幸宏さん。同館では、京都府のどこの図書館でも府内の蔵書を借りられるシステム「京都府図書館総合目録ネットワーク」の運営にも力を注いでいるとか。
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毎年、4月の第2日曜日に開催される醍醐寺の「豊太閤(ほうたいこう)花見行列」。この行事は、豊臣秀吉が1598年に行った「醍醐の花見」を再現したものです。
874年に創建された醍醐寺は、応仁の乱の戦火により境内が荒廃していたそう。1300人以上が参加したと伝わる花見に際し秀吉は、約700本の桜を移植し、三宝院や伽藍(がらん)を整備しました。この「醍醐の花見」を機に醍醐寺は再興され、また、花見の名所として一般に広く知られるようになりました。
来年は「リビング京都」も記念の1年に! 読者の皆さんに支えられ、創刊40周年を迎えます。1年を通して記念企画を予定しているので、お楽しみに。
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