「同じ色をつなげることでIラインをつくれます」と十三さん。ニットとワイドパンツ、チェスターコートのワントーンコーディネートを紹介してくれました。
「ワントーンは落ち着いた印象を与えるので、大人の女性にはぴったりです。今回は全身をキャメル色に統一しました。ポイントはチェスターコート。シルエットが大きく、スタイルがきゃしゃに見えるのがうれしいところです」
黒などの暗い色でコーディネートすると、重すぎる印象になることもあるので注意が必要。
「ベージュ系や、明るめのグレーが挑戦しやすいと思います。ニット、ウール、革など、異素材を組み合わせるとおしゃれです」
体の細い部分といえば、手首や足首。そこだけを見せて気になるパーツは隠すというのが、アモーダル補完を使ったテクニックです。
「パンツは足首が見える丈をセレクト。ワイドパンツだとジャストロー錯視も働き、より足首が細く見えます。パンツだけではなく、足首が見える丈のロングスカートでも効果がありますよ」
華やかなファーのベストで上半身にボリュームを出している点も、このコーディネートの特徴なのだとか。
「上半身を大きく見せることで、下半身の膨らみをカバー。ベストから伸びる腕もすらりと感じますね。七分丈の袖で手首を見せるのも、アモーダル補完を活用する方法の一つです」
「Vネックのトップスは〝錯視アイテム〟の一つ。首が長く見え、体全体もシャープな印象になります。Vの角度が鋭いほど効果あり。この時季は、セーターを丸首ではなくVネックにするのもおすすめです」
Aラインのトップスは、後ろ姿のシルエットもすっきりと見えるのが魅力。そして、こちらにはミュラー・リヤー錯視以外の要素も含まれているそう。注目はふんわりと広がった袖の部分。
「このように袖に特徴がある服は〝袖コンシャス〟と呼ばれます。タイトな袖口よりも広がった袖の方が、腕が細く感じますよね。それはジャストロー錯視の効果です」
アイテム次第で、複数の錯視を盛り込めるのですね。