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太って見えない着こなし方

ワントーンでそろえてスリムなイメージに

ファーのクラッチバッグでカジュアルさをプラス靴も忘れずに同系色でそろえて
取り入れたのは、ゲシュタルト群化
脳は目で見た光景の細部ではなく、全体を認識する傾向があります。個々のものでも、色などが似ているとひと固まりだと錯覚。図は同じ大きさの丸を等間隔に並べたものです。横のラインではなく、色が同じ縦のラインが目を引きます。

「同じ色をつなげることでIラインをつくれます」と十三さん。ニットとワイドパンツ、チェスターコートのワントーンコーディネートを紹介してくれました。

「ワントーンは落ち着いた印象を与えるので、大人の女性にはぴったりです。今回は全身をキャメル色に統一しました。ポイントはチェスターコート。シルエットが大きく、スタイルがきゃしゃに見えるのがうれしいところです」

黒などの暗い色でコーディネートすると、重すぎる印象になることもあるので注意が必要。

「ベージュ系や、明るめのグレーが挑戦しやすいと思います。ニット、ウール、革など、異素材を組み合わせるとおしゃれです」

足首見せで、気になる部分をカバー

バッグを小さめにすると、ファベストのボリュム感が際立ちます
取り入れたのは、アモーダル補完
見えている箇所から隠れている部分を想像し、脳が自動的に補って全体像を認識すること。AとBは元は同じ台形ですが、細い部分が見えているBの方が、より全体がスマートに感じます。

体の細い部分といえば、手首や足首。そこだけを見せて気になるパーツは隠すというのが、アモーダル補完を使ったテクニックです。

「パンツは足首が見える丈をセレクト。ワイドパンツだとジャストロー錯視も働き、より足首が細く見えます。パンツだけではなく、足首が見える丈のロングスカートでも効果がありますよ」

華やかなファーのベストで上半身にボリュームを出している点も、このコーディネートの特徴なのだとか。

「上半身を大きく見せることで、下半身の膨らみをカバー。ベストから伸びる腕もすらりと感じますね。七分丈の袖で手首を見せるのも、アモーダル補完を活用する方法の一つです」

Vネックがシャープさを演出

トップスのゆるやかなシルエットとのバランスを考え、細めのパンツをコーディネート
取り入れたのは、ミュラー・リヤー錯視
同じ長さの線の先端に矢羽をつけた場合、AよりもBの向きの方が線が長く感じる錯覚のこと。

「Vネックのトップスは〝錯視アイテム〟の一つ。首が長く見え、体全体もシャープな印象になります。Vの角度が鋭いほど効果あり。この時季は、セーターを丸首ではなくVネックにするのもおすすめです」

Aラインのトップスは、後ろ姿のシルエットもすっきりと見えるのが魅力。そして、こちらにはミュラー・リヤー錯視以外の要素も含まれているそう。注目はふんわりと広がった袖の部分。

「このように袖に特徴がある服は〝袖コンシャス〟と呼ばれます。タイトな袖口よりも広がった袖の方が、腕が細く感じますよね。それはジャストロー錯視の効果です」

アイテム次第で、複数の錯視を盛り込めるのですね。

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