井村郁子さん(69歳)
週に5日ほど、近所のプールに行く井村郁子さん。「泳ぐのはそれほど得意ではないんです」と意外な発言が飛び出しました。
今から20年ほど前、健康のためにと始めたのはジョギング。自宅近くを一緒に走っていた友人の転勤に伴い、自然消滅。そのころ、別の友人に誘われて今のスイミングスクールに通い始めたと言います。
当初は月に4回通えるコースを申し込んだそうですが、「もうちょっと行けるな」と少しずつ回数を増やすうちに「今では月~金曜の夜に通っていて、それで生活にけじめがついています」。
フォームが良くなるのでインストラクターの指導は受けるものの、タイムにはあまり興味がないというマイペースさも長続きの秘訣かもしれません。
「生活習慣病の予防と、できればダイエットもと欲張ったのですが。生活習慣病のほうは何とかクリアしていますが、ダイエットは一進一退です」と笑う井村さん。水泳はこのハツラツとした雰囲気を維持するポイントにもなっているようです。
清水孝子さん(58歳)
1週間のうち3日か4日、早朝5時に家を出発して5~10キロをランニングするという清水孝子さん。30年ほど続いている習慣で、「もう何年も目覚まし時計をかけていません。自然に午前4時30分ころに起きるんです」と聞いて、記者はさらにびっくり。
夜は午後11時までには就寝。「昔から朝型なんですか?」と尋ねると、「いえいえ。小学生のころなどイヤイヤ起こされてましたよ。でも、今はこの早起きの生活リズムが身に付いているんです」と清水さんは言います。
学生時代は短距離走の選手だったこともあり、走るのが好き。結婚したころ、長く続けられるようにとランニングを始めたそうです。子育て中は3人の子どもたちと一緒に走ったこともありますが、「続いているのは私だけです」。
走る距離は、体調と時間に応じて決めるそうですが、基本的には自宅から1キロほど先にある池の1周1キロのコースを何周か走って帰宅します。その後、家族の朝食の準備、シャワーなどを済ませ、出勤。休む暇もないようですが…。
「汗をかくとスッキリして気持ちがいいんです。雨続きで走れなかったりするとストレスがたまるほど」と清水さん。ランニングは出勤前の儀式のようなものとして定着しています。
村島孝一さん(65歳)
「夫婦で、毎週弓道にいそしんでいます」とは五段の腕前を持つ村島孝一さん。自分のペースで取り組める弓道は生涯スポーツに最適で、仲間との交流も楽しみだと話します。
村島さんは学生時代からテニスをしていましたが、30代半ばで病気のためドクターストップ。けれど、何もしないとかえって体調が良くないため、激しい動きを伴わないスポーツをと弓道を始めることに。
初心者のうちは的に矢があたればうれしいというレベルだったものが、「やがてその矢のあたり方や、どのように弓を引くか、といった点も追い求めるようになっていくんです。正しく弓を射れば的中する、つまり〝正射正中(せいしゃせいちゅう)〟を目指す、奥の深いスポーツです」
同い年の妻・比佐子さんも18年前から弓道を習い始めています。道場に見学に行ったときに、60代・70代の女性が練習に打ち込んでいる姿を見て、「こんなふうになれたら」と思ったのだとか。今では、その女性たちにも引けを取らない五段の腕前です。
2人そろって練習、試合、研修と、忙しくも張りのある毎日です。