私たち、ごはんが好きなんです!

母の握った塩むすびが、私のごちそうです

「あったかいおむすびを食べてほしいから、熱いですが炊きたてを握ります」とは晴美さん(中央)。待ち遠しそうなのは、長男・朗悠(あきひさ)くん(9歳・右から2人目)、由美さんの妹の長男・篠原佳翔(けいと)くん(9歳・右)と長女・幸々菜(ここな)さん(6歳・左から2人目)。由美さん(左)も、うれしそうに見つめています

二つ、三つ、四つ…。きれいに三角に握られたつやつやの塩むすびが、次々と大皿に並んでいきます。それを見て「食べていい?」と待ちきれない様子の子どもたち。おむすびを作っているのは奥野由美さん(44歳)の母・晴美さん(68歳)です。

「母はいつも熱々の炊きたてのごはんで、手を真っ赤にしながら握ってくれます。最期に何を食べたいかと聞かれたら、絶対にこのおむすびです」と由美さんは言います。食が細かった幼いころも、これだけは大好きだったそう。

「具は、地元・城陽の青谷の梅で作った梅干し。のりやとろろ昆布でまくことも。海やスキーに行くときも、いつだって食べていました」

子どもたちも「おばあちゃんちで何食べたい?」と聞くと、いつも回答は塩むすび。5合分のおむすびもあっという間になくなるそう。

「同じように握っても同じおいしさは出なくて、母ならではの技があるのかと不思議です」

茨城と亀岡から届く新米が、毎年の楽しみ

口を目いっぱいあけて、ハンバーグをのせたごはんを頬張るのは長男の啓一郎くん。敦志さん(右)と綾乃さん(左)もうれしそう

水口綾乃さん(32歳)は、祖父母が地元の茨城で作ったお米を食べて育ちました。

「京都に来てからも食べ続けています。この時期はなんといっても新米。祖父母から毎年たくさん届きますが、つやが違ってテンションが上がります。結婚後は、夫の実家から亀岡のお米もいただき、互いの地元の味を交互に食べられるのがうれしいです」(綾乃さん)

夫・敦志さん(34歳)も「おいしいご飯があればおかずはなくてもOK」と語るほどで、水口家では3食必ずごはん。夫婦2人とも、ほかほかの白ご飯の上に焼きサケや照り焼きのお肉などのおかずをのせて食べるのが好きなのだそう。

一方で、1歳の息子・啓一郎くんは、ひじきなどの混ぜごはん派。「ゆくゆくはごはん自体のおいしさもわかるようになって、自然や作っている人に感謝できるようになってくれたら」と期待をしています。

甘辛いおかずがあればとまりません!

「おかわり」と茶わんを差し出す長男・和磨くん(右)。「夫もごはん好き。外食するときもごはんがあるお店を選びます」と由佳さん(左)

昔、よく海外旅行に行っていたという黒本由佳さん(39歳)。帰りたくなる理由は、「日本のおいしいお米が食べたい!」だったそう。

「パンも好きですが、やはり日本人はごはん。お米が立つくらい硬めのごはんが好きなんです。炊きたての香りがたまらないので、時間を置かずにすぐに食べたいですね。甘辛く炒めたじゃことシシトウがあれば、とまりません。昆布のつくだ煮やしょうが焼きもいいですね」

長男・和磨くん(3歳)も、解凍したものよりも、炊きたての方がよく食べるのだとか。

「ある日、急にどこで覚えたのか『おかわり』って自分から言うようになったときは、うれしくておかしくて。外へ出かけても、遊ぶより先におにぎりが入ったお弁当を食べようって言います」

お米マイスターに聞く読者の、お米に関するハテナ?

教えてくれたのは
お米のたけうち
五ツ星お米マイスター
竹内靖博さん

「私にとってお米は力の源。ごはんをしっかり食べると元気が出るので、3食いただきます。好きなおともは、梅干しやカツオでんぶ、ひじきの炊いたんです」と話してくれたのは、米店「お米のたけうち」の竹内さん。お米について幅広い知識を持つ専門家「お米マイスター」の中でも、最高ランクの「五ツ星お米マイスター」の称号を持っています。
今回は、読者のお米に関する疑問に答えてもらいました。
「私自身、おいしい炊き方についてはよりよい方法を求めて研究中。日々、お客さんの声も聞きながら情報収集をしています」

品種や銘柄がいっぱいあるけれど、どう選んだらいいの?
「まずは、説明書きを読んだり、店頭で聞いてみること。ただし、好みもある上、天候の変化などで毎年評判通りの味になるとは限らないので、1kgや2kgを試しに買って実際に食べ比べるのがおすすめです。昨年は山形のつや姫、丹波のヒノヒカリなどがよかったですね。ちなみに新米とはその年の12月31日までに収穫、精米、袋詰めがされたお米のことです」
お米の適切な保管方法は?
「酸化を防ぐため、冷蔵庫に入れておくのがおすすめ。なお、直接冷気が当たると乾燥してしまうので、紙袋ではなくビニール袋などに入れてください。自宅での保存の目安は1カ月。その期間で食べきれる量を購入するようにしましょう」
ごはんをよりおいしく炊くコツって?
「ぴかっと照りが出て米粒が立つ、私流のやり方を紹介します。とぐときは、米の表面に残る脂質を取り除くために、突起のある米とぎボウルなどを使うのがおすすめです。ちなみに、炊いた後に炊飯器で保温する場合は1時間以内に。冷凍するなら、炊きたてをラップなどに包んで、粗熱が取れたら冷凍庫に入れると、鮮度が保たれておいしく食べられます」
竹内さん流の炊き方
  1. 米とたっぷりの水をボウルに入れて軽くかき混ぜ、水を流します。続いて米とぎボウルに移したら、片手でボウルを回し、もう一方の手の指を立てて、手のはらで米を20回ほどとぎます
  2. 再度①を行ったあと、2度水を換えてすすぎます。すぐに炊かない場合は、ビニール袋に入れて冷蔵庫へ。最大1日、そのまま保管OK
  3. 夏は30~40分、冬は1時間ほど水に浸してから炊きます。好みの硬さによって浸す時間は調整を
  4. 炊き上がって蒸らしが終わったら、余分な水分をとばすために、すぐにしゃもじできってほぐす作業も重要です

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