子どものころ、「お父さんやお母さんはどんな仕事をしているのかな」と思ったことはありませんか。子どもにとって、親の仕事は〝未知〟なもの。そこで今回、小学校高学年~中学生の子どもにお父さん、お母さんの職場を見学してもらいました。〝働く〟ということをさまざまな形で意識したようです。
小学4年生の産屋敷(うぶやしき)陸くんは、お父さんの直樹さんが働くスポーツ用品店へ。何度か来たことはあるものの、じっくりと見学をするのは初めてだそう。
まずは売り場奥にあるバックヤードに向かいます。ここで直樹さんはパソコン作業中。「今、何をしているの?」と尋ねる陸くんに、直樹さんは「必要な商品が棚に並ぶように注文しているんやで」と説明してくれます。
「陸がお使いで行くお店にも、いつもちゃんと商品があるやろ。それも、こういう作業をしているから並んでんねん」と直樹さん。
と、ここで特別に商品の整理を手伝わせてもらうことに。
サイズと色別に並べるというミッションに、「楽勝!」と取りかかった陸くんですが、途中、「これは、このグループじゃないよ」という直樹さんからのダメ出しが入って、がっくり。
簡単そうに見えても、仕事は大変。そんな実感をした陸くんは、「スーパーに行ったときとか、お父さんに『手に取った商品を戻すときは元の場所に』って言われていることを思い出しました。並べるのがこんなに大変やと分かったから、これからもちゃんと元の位置に戻します」と決意を新たにしていました。
見学を終えて…
「商品を並べるのが結構大変でした。お父さんは、いつもこんなに大変な仕事をしているんだなぁ」
赤ちゃんや小さな子どもを連れた人が次々と訪れる小児科の待合室。小学5年生の松本唯愛(ゆあ)さんは、受付で患者と接しているお母さんの和子さんの姿をじっと眺め、「患者さんと話しているときの笑顔がすてき」と一言。
その言葉を聞いた和子さんから、困ったことがあれば気軽に話してほしい、だから打ち解けてもらえるように明るく接していると教えてもらった唯愛さん。
「気持ちが和らぐのは、相手がそんな気持ちになるように優しく話してくれるからだと気付きました。私ももっと、誰に対しても優しく接したいな」
待合室が混み合うにつれて、和子さんも応対に追われるように。それでも笑顔で「大丈夫ですか?」などと患者に声をかける和子さんを見て、「仕事を楽しんでいる感じがする。全然しんどそうに見えないし」。唯愛さんの口からは、「お母さん、すごい」「憧れる」といった言葉が次々に出てきます。
「家でごはんを作ってくれるお母さんも、外で働いているお母さんも、両方好き。ずっと仕事をしていてほしいです」
見学を終えて…
「お母さんから、子どもを相手にすることが多いから、声掛けをするなどの気遣いが大切と聞きました。私もそんなふうに気遣いができるようになりたいです」