昨年1月に導入されたマイナンバー制度。マイナンバーを活用したオンラインサービス〝マイナポータル〟が7月中旬から試行運用されます。健康診断のお知らせを受けたり、子どもの予防接種の手続きをしたり。これらがパソコンやスマホでできるんです。秋からの本格運用以降もサービスの種類が増えるので、これからどんどん便利になりそうです。
※各制度の内容は、7月6日時点で想定されるもの。変更になる場合あり。本格運用の時期は未定
この紙面を読んでいる人の中には、「そういえば何年も健康診断を受けていない」。そんな人もいるかもしれませんね。気になるものの、何を受けたらいいのか調べるのは大変というのも本音かも。そんな場合にもマイナポータルが活躍します。
「年齢や性別などの必要事項を登録しておけば、必要な健康診断のお知らせがパソコンやスマホに随時届きます」と教えてくれたのは、マイナンバー研修の講師も務める、京都府社会保険労務士会副会長・電子化委員長の「ADR社会保険労務士法人」の上田篤史(あつし)さんです。
自分が納めた年金額や保険料も、好きなときに確認できるサービスもあるとのこと(※)。気になったときにすぐに調べられるとはうれしいですね。
※現時点、マイナポータルで確認できるのは市区町村が扱う国民健康保険や国民年金で、社会保険や厚生年金は含まれません
この二つのサービス以外にも、7月中旬の試行運用時から可能になることが。
「どの行政機関が自分のマイナンバーを使って個人情報を入手したのかを確認できます」と上田さん。
例えば児童手当の申請。
「住んでいる市町村の窓口に、マイナンバーを記入した書面を提出するだけで申請はできますが、実はこの申請には複数の担当部署が関わっています。当然、それぞれの部署で個人情報を扱いますよね。マイナポータルを利用すると、パソコンやスマホ上でどこの窓口が自分の個人情報を扱ったかが分かるのです」
各窓口や行政機関の間でやりとりをされた履歴が“見える化”されています。
秋には、子育て世代注目のサービスが始まります。それが、〝子育てワンストップサービス〟。
「住まいや家族構成を入力すると、子どもの年齢に合った予防接種の内容や居住地域の児童手当が表示されます」(上田さん)
それで終わりではないのが、このサービスの特徴。表示された予防接種や児童手当の手続きもパソコンやスマホから可能。認可保育園の入所申し込みもできるんですよ。
つまり、小さな子どもを連れて役所に出かけたり、窓口で並んだりせずに、自宅でも手続きができるというわけです。
家事に育児に忙しい人のサポートをする〝プッシュ機能〟があるのも魅力。予防接種や児童手当の締め切り期限が近づくとそのアナウンスがオンライン上に届きます。
これなら、「うっかりして締め切りを過ぎてしまった!」というミスがなくなりそう。
また、今年中にはコミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」から検診や予防接種の案内が送られるシステムも始まります。毎日マイナポータルに接続しなくてもOKですよ。